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1・5東京ドームでプロレスラー人生に幕!獣神サンダー・ライガー引退記者会見

1989年、「平成」にデビューを飾った獣神サンダー・ライガーが、「令和初」の新日本プロレスのビッグマッチ「レッスルキングダム14」で引退した。5日の引退試合は、盟友・佐野直喜を組み、IWGPジュニア王者の髙橋ヒロム、リュウ・リー(元ドラゴン・リー)と対戦。最後は髙橋ヒロムのTIME BOMEの敗れたライガー。リング上で天を仰いだ。 ジュニア戦士でありながら、当時IWGPヘビー級王座だった橋本真也との闘い。無名レスラーを全国区にした「スーパーJカップ」の開催。パンクラスに参戦し、鈴木みのると総合格闘技ルールでの対戦。挙げればキリがない記憶に残る闘いを、ファンの脳裏の焼き付けてくれたライガー。引退試合後の一問一答をご紹介する。

图标 70090528 511982836063813 5722354386395463680 n大乐聪 | 2020/01/10


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 ーー正真正銘、「最後の試合」を終えたばかりですが、心の中でどんな想いが込み上げていますか? 


ライガー: やはりチャンピオン、高橋ヒロムの強さですね。何やっても、吸い込まれていく。手応えがない。2枚も3枚も彼が上手でしたね。

そういうことで、僕が下した
引退という決断は間違っていなかったと思います。これからの新日本プロレス、みんな大変だと思う。本当に怪我をせずに、益々盛り上げていってもらいたい。

ヒロム選手は最後に『新日本プロレスのジュニアをもっともっとデカくする』と僕の耳元で言ってくれたので、あとは放送席から『すげぇ!』と言っておきますよ。

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ーー去年の旗揚げ戦の翌日に引退を発表されてからおよそ9ヶ月。ライガーさんが考えた“引退ロード”は、最終日を迎えました。ご自身の望み通りの形になりましたか?


ライガー: 望み通りですね。何の悔いもないし、しんみりとした感じは好きじゃないので(笑)。

『ああ、やっぱり今日の試合はライガーらしかったね』『本当に引退するのかな』という声が聞けたら、望み通りです。

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  ーー場内からは「辞めないで」という声も聞こえていたと思うが、どのような想いで今日は戦いましたか。?

ライガー: 試合が始まったら、そんなのは関係ないです。対角線にはチャンピオン(高橋ヒロム)がいますからね。

下手な試合をしたら「やっぱり、ライガーダメだね」と言われるし、みなさんが「まだ、できるじゃん」「もったいない」「辞めないで!」などの声を発してくれたら、それが僕にしてみれば 「100点満点の引退試合」だったと思います。

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1月4日には、藤波辰爾、ザ・グレート・サスケ、タイガーマスクと組み、佐野直喜、大谷晋二郎、高岩竜一、田口隆祐組と対戦した。


ーー1月4日は、今までのライガー選手の戦いを振り返るような試合。1月5日は、未来の新日本、もしくは世界中のジュニアの未来を託すような試合になりました。その2日間を振り返っていかがでしたか?


ライガー: 
僕の中ではすごく満足しています。しんみりとした内容だけにはしたくないと常に言っていましたので、本当に真正面から、ぶつかって、粉々に砕かれた。これは、もう悔いはないでしょう。

完璧に叩き潰されて、(高橋)ヒロム選手が「僕がもっと新日を大きくします」と言ってくれたので、もういいでしょう。 何も思い残すことなく引退ということでしょうか。 

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 ーーここで獣神サンダー・ライガーの生みの親“永井豪”先生登場。


永井:
本当にライガーさんとお会いしたのは31年前でした。「新日本プロレスでマスクマンが誕生するんだけど、誰がライガーを被ってくれるんだろう?」と期待して待っていたら、ライガー選手、山田選手が(笑)。

情熱と熱意を感じたのが嬉しくて、すぐに『やってください』とお願いしました。その判断に間違いはなく、31年間も活躍していただけたのは本当に嬉しいです。

どの試合も「ライガーらしいイメージ」が溢れていて、いろいろなプロレスファンが喜ぶスタイルを確立してくれたと思います。本当に感謝しかありません。

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ーー「 
レスラーのライガー」としては、永井先生の手を離れて31年間も戦い続けていましたが?

永井:マスクのデザインを変更したりしながら、ファンを飽きさせずに戦い続けてこられたのは、ご本人の努力以外の何者でもないでしょう。私は一ファンとして応援していただけなので本当に嬉しいです。

 ーー原作は、「善神の末裔」が、邪神を倒すために「バイオアーマー」を着るということでした。プロレスラーの獣神サンダーライガー選手が歩んだ31年間はいかがでしたか? 

永井:ライガーさん自身の闘いというのが伝説を具現化しているようで、いつの試合も興奮して観ていました。

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ーーライガー選手、永井先生をお迎えしていかがですか?
 

ライガー: 山田くんは邪神の塊です(笑)。

僕はずっと「マスクマン」になりたかった。「ライガー」を名乗っていいのか、悩みに悩んだこともありましたが、「マジンガーZ」、「デビルマン」といった永井豪先生の作品を子供の頃から観ていましたので、お話をいただけたときは嬉しかったです。

永井先生から、「ライガーとして31年間。良かったんじゃないか?」と言われて、ホッとしております。本当に変な意味じゃなく、肩の荷が下りたと(笑)。

僕はこのレスラー人生、人に恵まれたと思います。カルガリー時代の「ミスターヒト」こと安達さん、藤原喜明さん、猪木さん、山本小鉄さん、その他先輩方、そして永井豪先生、こういった方々がいらっしゃったからこそ、今の僕があると思います。

本当に「バイオアーマー」を着ていると、「邪神の山田くん」が消えてしまいます。本当にみんなに感謝です。永井先生、本当にありがとうございました。

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ーー「 バイオアーマー」は、今後脱ぐことになるかと思うんですけど…。


ライガー: 「バイオアーマー」は脱ぎますけど、マスクはこのままです。

永井先生に『ライガー選手マスクは取るのかい?』と聞かれたんですが、その時に僕は「今さらマスクを取ってもしようがないし、僕はライガーのままでいたいんです」と伝えました。

その時に「そのままライガーでいてください」と先生にお許しをいただきましたので、これからも獣神サンダー・ライガーのままでいます。

ただ「バイオアーマー」は着ないので、多少は邪神にまみれたライガーになるかもしれません。ファンの皆様、お気をつけください(笑)。 

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ーー引退試合の対戦を振り返って、「試合の意味」をどう捉えていますか?


ライガー: 佐野さんとのジュニアの試合では、いろいろな先輩から、「いつか死ぬぞ!」と言われていました。今、ヒロム選手らの試合を見て、僕が「いつか死ぬぞ」と思っています。

そういう意味では「新旧のジュニア対決」「これからの新日を占う試合」だったんじゃないかと捉えています。

新日の未来は明るい。これ以上、明るいものはないですね。これからはプロレスファンに戻り、「すげぇ!」と叫んでいたいと思います。

それから、天国にいる橋本真也選手に『俺のレスラー生活、終わったよ』と言いたいですね。

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橋本真也さんのお子さん、橋本大地さんとの記念撮影に臨む

ーーライガー選手は、「ジュニア
のカリスマ」と言われていたと思います。いろいろな方々と戦ってきて、改めて「ジュニアヘビー級に対する想い」を聞かせてください。 

ライガー:新日本には、「ジュニアヘビー級」と「ヘビー級」があります。お互いが「絶対に負けない」と言う気持ちでリングで戦っている限り、ずっと伸びていくと思っています。

僕はヘビーに負けない。橋本(真也)選手は、ジュニアになんかは負けない。そのぶつかり合いがあの試合ですし、今の新日本プロレスです。

ですので、本当に何の心配もない。僕はプロレスファンとして見た時に、新日本プロレスは素直に面白いなと思います。これから、みんな怪我だけを気をつけて、みんなすごい試合を提供してくれればいい。

ーー31年間の選手生活を振り返って、印象的な試合を教えてください。

ライガー:グレート・ムタ、橋本真也、鈴木みのる、この3選手との試合は忘れません。本当にいい思い出ばかり。「皆さん本当にありがとうございました」と、頭を下げたいです。

ーー「素顔の時代」を含めると35年間。これまで大きな怪我がなく、理想の引退ではないでしょうか? 

ライガー:藤原(喜明)さんにも「健康で歩けるうちに引退できて、お前は幸せだ」と言われました。これだけ頑丈に生んでくれた母親に感謝です。

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ーー 「引退セレモニー」はどのように行いますか?


ライガー:「感謝の意」をリングの上で述べたい。事務所のみんなは「ライガーを泣かそう」と、色々企ててみるみたいですが、「これ、本当に引退式か?」というような感じで、ゲラゲラと笑って終わりたいです。

ライガーとしてマントをつけて、リングの上であいさつできればと思っています。でも、もうプロのレスラーではないから、「マスクだけでいいのではないか?」などと、色々と葛藤はあります。それは楽しみにしていてください。ありがとうございました。

ーー そして最後にROPPONGI 3KのSHO選手がライガー選手のことを語ったコメントを紹介します。

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SHO:
地方でプロモーションに行かせて貰った時、ポスターにライガーさんの顔があるだけで、安心してチケットが売れてくれるんじゃないかと思っていました。

でも、これからポスターにライガーさんの顔が載ることが無くなってしまう。だからこそ、お客さんが来てくれるかって心配になりますが、それぐらいライガーさんの存在は大きかったです。

本当は最後にシングルマッチしたかったけど…。僕は色々なものと、これからも闘っていきます。