台風一過の都心で4年ぶりの完全復活を遂げた日比谷音楽祭 2023をレポートVol.1
音楽プロデューサーでベーシストの亀田誠治が実行委員長を務める音楽イベント「祝・日比谷野音100周年 日比谷音楽祭2023」が、6月3日から4日にかけて東京の日比谷エリアで行われた。今年は4年ぶりに声出しや飲食ブースの出店も解禁。台風の影響により、2日から3日の午前中に予定されていたプログラムが一部中止に追い込まれたものの、かつてのような賑わいの戻った音楽祭の1日目の模様をレポートする。※メイン画像:提供/日比谷音楽祭実行委員会
白鸟淳一
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2023/06/30
6月3日に日比谷野外音楽堂(日比谷公園大音楽堂)で行われた『Hibiya Dream Session 1』では、さまざまな国のアーティストによる素晴らしいパフォーマンスで観客を魅了。音楽祭が掲げる“ボーダーレス”を強く印象づけるものとなった。
LIBERA
提供/日比谷音楽祭実行委員会
『Hibiya Dream Session 1』は、イギリスのサウスロンドンに住む少年たちで結成されたソプラノコーラスグループのLIBERAによるパフォーマンスで幕を開けた。
数々のCMやドラマに使用されてきた『彼方の光』で幕を開けると、続けて亀田が作詞・作曲、プロデュースを担当した全日本語詞による楽曲「明日へ~for the future~」を披露。続けて登場した新妻聖子とともに『From a Distance』で、夕暮れの日比谷公園に美しい歌声を響かせた。
新妻聖子
提供/日比谷音楽祭実行委員会
「みんなが楽しめる日比谷音楽祭なので、ハッピーな曲を選びました」という新妻は、『GOLD』の後にミュージカルの『マンマ・ミーア!』などでもお馴染みのABBAの楽曲、『Dancing Queen』を披露。観客が立ち上がって盛り上がるなど、会場に一体感をもたらした。
藤原道山
提供/日比谷音楽祭実行委員会
続けて尺八演奏家の藤原が登場。藤原の尺八による『Amazing Grace』で、日比谷音楽祭のコンセプトでもある“ボーダーレスな世界観”を印象づけると、続けて登場した津軽三味線演奏家の上妻宏光とともに『東風』を披露。
藤原がステージを一足早く後にすると、上妻はNHK大河ドラマのテーマ曲としてもお馴染みの『風林火山~月冴ゆ夜~』を演奏し、壮大なスケールと存在感を放つ楽曲で観衆を圧倒した。
上妻宏光
提供/日比谷音楽祭実行委員会
藤原がステージを一足早く後にすると、上妻はNHK大河ドラマのテーマ曲としてもお馴染みの『風林火山〜月冴ゆ夜〜』を演奏し、壮大なスケールで存在感を放つ楽曲で観衆を圧倒した。
東儀秀樹&東儀典親
提供/日比谷音楽祭実行委員会
雅楽師で作曲家の東儀秀樹と、GRASSHOPPPERのギターボーカルとしても活躍する東儀典親の親子が登場。『Bohemian Rhapsody ~I Was Born To Love You』のQueenカバーメドレーを披露して場内を熱狂の渦に巻き込んだ後、再びステージに登場した藤原、上妻と共にアイリッシュの要素を取り入れた東儀の楽曲『Steppin' Slide』を披露。さまざまな国の音楽が見事なコラボレーションを見せたステージは幕を下ろした。
チャラン・ポ・ランタン
提供/日比谷音楽祭実行委員会
チャラン・ポ・ランタンは亀田プロデュースによる楽曲の『ぽかぽか』を披露した後に『旅立讃歌』を演奏。賑やかな演奏で会場を盛り上げた。
加藤登紀子&世武裕子
提供/日比谷音楽祭実行委員会
加藤登紀子とピアニストの世武裕子が登場。映画『紅の豚』などで知られる『時には昔の話を』を披露した加藤は「歌手になって最初に立ったステージと、結婚を機に歌手を辞めようと思っていた最後のステージが日比谷野音だった。野音での最高の思い出があったからこそ、歌手として復帰することができた」と、この場所への特別な思い入れを語った。
提供/日比谷音楽祭実行委員会
加藤の歌うジョン•レノンの『Imagine』に続けて、坂本美雨、チャラン・ポ・ランタン、東儀、東儀、新妻、YOYOKAがステージに登場し、大世帯で披露されたのは、同じくジョン•レノンの『Power To The People』。加藤が長年のキャリアで体感してきた音楽の素晴らしさを表したのようなステージだった。
Tani Yuuki
提供/日比谷音楽祭実行委員会
日比谷音楽祭に初登場のTani Yuukiは、SNSがきっかけで多くの人に知られることになった代表曲『W / X / Y』を披露。亀田が「コロナ禍で出会った才能」と語るTaniの登場で会場はさらなる盛り上がりを見せた。
八木勇征・中島颯太(FANTASTICS from EXILE TRIBE)
提供/日比谷音楽祭実行委員会
FANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征・中島颯太が登場。亀田がプロデュース、佐藤可士和がグラフィックデザインを担当して話題を集めた『PANORAMA JET』『Summer Bike』、30年以上にわたって歌い継がれている『Choo Choo TRAIN』の3曲を披露した。
木村カエラ
提供/日比谷音楽祭実行委員会
トリを務めたのは初登場の木村カエラ。13歳ながらも世界各国に活躍の場を広げるドラマーのYOYOKAと共に『タイムマシンにおねがい』を披露。かつて日比谷野外音楽堂で公演を行い、木村自身もゲストボーカルとして参加したサディスティック・ミカ・バンドのナンバーは、日比谷野外音楽堂の歩んだ歴史を振り返る上で、欠かせない楽曲と言えるだろう。
木村カエラと共にパフォーマンスを見せたYOYOKA 提供/日比谷音楽祭実行委員会
そしてこの日の最後は、結婚式の定番ソングとして幅広い世代に知られている『Butterfly』。観客席とステージとの美しい大合唱は、コロナ禍を乗り越えた力強さを感じさせた。
提供/日比谷音楽祭実行委員会
6月24日(土)から7月2日(日)までは、U-NEXTにて「アンコール見逃し配信」と「ライブ別版見逃し配信」の2つの方法で日比谷音楽祭2023を楽しめる。どうぞお見逃しなく。