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【J1第8節】フォーメーションの駆け引きが生んだ熱戦!名古屋に連勝の風は吹いたのか

2025年4月2日、豊田スタジアムで名古屋グランパスvs横浜F・マリノスが行われた。前節の横浜FC戦で今季待望の初勝利を挙げた名古屋は、リーグ戦初先発となったGKシュミット・ダニエルの安定感が際立ち、守備面での信頼感がチーム全体に好影響を与えている。とくに1対1の場面では球際の強さでも優位に立ち、攻撃面でも両サイドからの積極的な攻撃参加が見事に機能した。ホームでの連勝を目指し、チームが掲げる攻守一体のスタイルを今節も体現できたのか、注目の一戦を振り返る。※トップ画像出典/Pixabay(トップ画像はイメージです)

图标kinggear图标KING GEAR编集部 | 2025/04/23

ナイトゲームに2万人以上が集結!注目の一戦はフォーメーションのミスマッチが鍵に

平日のナイトゲームにもかかわらず、試合会場の豊田スタジアムには、21,892人のサポーターが駆け付けた。ホームの名古屋は前節・横浜FC戦から先発2人を変更。左ウイングバックにMF内田宅哉、センターにはFW永井謙佑を起用し、ゴールマウスは守護神GKシュミットが守る。一方、現在16位と苦しい状況が続く横浜FM。前節ファジアーノ岡山戦でも0‐1で敗れ、今節はなんとしても勝ち点が欲しいところ。先発はDFサンディ・ウォルシュの1人のみを変更し、安定感を重視した布陣となった。フォーメーションは名古屋が3-4-2-1、横浜FMは4-4-2という形で、戦術的にはミスマッチが生まれる配置。このギャップをどう活かし、どこで数的優位を作れるかが、試合の勝敗を左右する鍵となりそうだ。

守護神のビッグセーブ連発、両チーム譲らぬ攻防戦

最初に決定機をつかんだのは横浜FM。前半11分、FW宮市亮が強烈なミドルシュートを放つも、GKシュミットが懸命に腕を伸ばしてビッグセーブしゴールを許さない。名古屋のチャンスは20分、MF内田が逆サイドのMF中山克広へクロスを送ると、MF中山はフリーでダイレクトシュート。しかしこれは枠を捉えられなかった。さらに24分には、MF椎橋慧也からパスを受けたFWマテウス・カストロが、得意の左足で狙い澄ましたシュートを放つもGK朴一圭がスーパーセーブでゴールを阻止した。

直後の26分には、横浜FMがカウンターからチャンスを作る。FWヤン・マテウスが中央をドリブルで突破し、左サイドを駆け上がったFW遠野大弥へパス。FW遠野がペナルティエリア手前からシュートを狙うも、ゴール右へ外れてしまう。さらに29分、相手のクリアミスを拾ったFWヤン・マテウスがシュートを放つがDFの足に当たってクロスバーを越えた。両者とも決定機をものにできず、前半はスコアレスで折り返した。

FW永井が流れを呼び込み、名古屋が主導権を握る展開に

後半は開始早々から名古屋が積極的に攻撃を仕掛ける。後半48分、FW永井が絶妙なタイミングで縦に抜け出し、ペナルティエリア中央でパスを受けてそのままシュート。これは惜しくもゴール右へ外れた。直後の49分にも枠内にシュートを放つが、GK朴が再び好セーブを見せた。

試合が動いたのは51分、名古屋はCKを獲得し、キッカーのFWマテウス・カストロがゴール前にボールを送り込む。GK朴が一旦セーブするも、こぼれ球に反応したMF中山が立て続けにシュート。これは相手DFのブロックに阻まれるが、それでも攻撃の手を緩めない名古屋は、混戦の中でFW永井が頭で逸らしたボールにDF河面旺成が合わせて先制。DF河面はJ1初ゴールとなった。1点を追いかける形となった横浜FMも、すぐさま反撃に出る。53分、右サイドからFW遠野がクロスを上げる。FWアンデルソン・ロペスがDFと競り合いながらゴールを狙ったが、GKシュミットが肩でブロックし、得点を許さなかった。

その後は拮抗した展開が続いたが、再びスコアが動いたのは84分。名古屋は右からのCKを得ると、キッカーのMF森島司がアウトスイングのボールを供給。DF佐藤瑶大が高い打点のヘディングシュートで押し込み、名古屋にとって価値のある追加点を挙げた。名古屋はこのまま最後まで守り切り、2-0で勝利。今季初のクリーンシートと連勝を手にした。

名古屋の戦術的勝利、巻き返しへの一歩に

横浜FMは中盤での対応に苦しみ、試合を通してリズムを掴みきれなかった。フォーメーションのミスマッチを突かれ、守備・攻撃ともに後手に回ってしまった点が勝敗を分けた大きな要因だろう。一方の名古屋は、ウイングバックを高い配置にすることで数的優位を確保。攻撃では前線からの素早い切り替えと縦に速い展開で主導権を握り、実に24本ものシュートを放つなど、勝ちにこだわる姿勢が強く見えた。

守備ではやはり守護神GKシュミットの安定感が光り、組織的に守ることで横浜FMに決定機を作らせなかった。開幕から苦しい戦いが続いていた名古屋だが、この試合は今後の巻き返しを期待させるターニングポイントとなりそうだ。

DAZN「明治安田J1リーグハイライト 名古屋 vs 横浜FM:第8節」(2025年4月2日配信)より
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