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西村菜那子、『#西村駅伝』で広がった世界と語った箱根の魅力「1区は選手の人柄が出る」

西村菜那子さんは長野県出身で、2015年から22年までNGT48のメンバーとして7年間にわたり活動。在籍中から「駅伝に詳しすぎるアイドル」として注目を集め、駅伝や陸上関係のメディアに多数出演するなど、豊富な駅伝知識を活かして活躍の場を広げてきた。今回キングギア では第101回箱根駅伝を控えたなかで西村さんにインタビューを実施。駅伝の仕事に携わるなかでのエピソードや正月の風物詩となった箱根駅伝の存在について語ってもらった。※トップ画像撮影/長田慶

图标 30716468 1048529728619366 8600243217885036544 n伊藤雅孝 | 2024/11/24

高校年代を中心にオリジナル企画を立案

ーー『#西村駅伝』のWebマガジン一つひとつのコンテンツの企画は西村さん発信で作っていますか?

私が主に取材をするのは高校生なんですけど、どうやったらまず心を開いて話してくださるのかというのも大事ですし、高校生がどうしたらゆったりしたモードで心を開いた状態に持っていけるのか。質問内容も突然難しいことを聞いても高校生はポカーンとなってしまうので、高校生に寄り添った質問を考えなければいけないです。高校生もいろんな選手がいるので、どの選手をピックアップするのか。高校生は主な大会に出ているメンバーが少ないので、それは私の目を信じるしかないです(笑)

ーー高校を取材する際のピックアップはどのように行ってるんですか?

最初は佐久長聖高だったんですが、1番最初は大事だなと思って。最初に強豪校にいくことで、今後どこに取材に行くにしても「前はここの高校に取材に行っている」というのがWebマガジンとしてのキャリアになります。そこが大事だと思っているなかで、うちの社長がたまたま佐久長聖出身だったんです。

私も長野県出身で、社長が佐久長聖出身で先生と親交があったので、お願いしていただいて。それが通って1本目は地元長野というのと、強豪校という面で佐久長聖を選ばせていただきました。

そのあとには伊那駅伝という高校日本一を決める大会があったんですが、そこで須磨学園高が優勝したので須磨学園に行ってみようと。その時その時に強いチームに行ったり、知り合いの選手や監督に、「あそこに行きなよ!」とか、アドバイスしていただくこともありました。

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摄影/永田圭

ーー箱根駅伝に絡めた企画も西村さんの想いが反映されていますか?

100パーセント私の想いです(笑)私のファン目線でやっている企画なんですけど、箱根駅伝を走ったレジェンドの方を呼んで当時どうだったかという話を「箱根で5区を走ったランナー」と共通点をひとつ作ったり、「第●回の箱根駅伝のメンバーから3人」とか。選手以外にもいろんな角度から集めてやっています。

ーー主務(マネージャーを束ねるチーフマネージャー)でくくった企画が面白かったんですが、それも西村さんのアイデアですか?

今は箱根駅伝の需要がどんどん上がってきているじゃないですか?それとともに、選手だけではなくて、裏方として携わっているマネージャーや主務のことを知りたいという需要も高まってきているので、そこをピックアップするのは面白いかなと思ってやりました。

将来的なスポーツイベント開催にも意欲

ーー箱根の企画で対談されていた方たちは西村さんがアイドルになる前からテレビで観ていた方だと思います。企画が実現して喜びはありましたか?

喜びはありますし、信じられない気持ちもあります。それこそ、柏原竜二さんは今文化放送のラジオで一緒に取材に行くこともありますし、優しい方なのでお食事とかも行ったことあるんですけど、相談とかにもすごく親身に乗ってくださいます。でも家に帰った時に「私“山の神”とご飯に行ったんだな!」とか考えます(笑)

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2012年箱根駅伝出場時の柏原竜二選手(出典/Getty Images)

ーーそのような状況はご両親も驚かれませんか?

私が「今度あの選手を取材するんだ!」と言ったら毎回喜んでくれます。「すごいじゃん、よかったね!」と。

ーー1番会えて嬉しかったのは誰ですか?

柏原さんはもちろんそうですし、最近会えて嬉しかったのは東洋大の酒井俊幸監督です。インタビューさせていただいたんですが、酒井監督は陸上界でも圧倒的な人気を持つ方なんです。対談している自分も信じられなかったですし、酒井監督が私のことを知ってくださっていたんです。頑張って良かったと思いました。

ーー駅伝に絡めてさらにやっていきたい活動はありますか?

今はラジオをさせていただいてるんですけど、10分くらいで伝えることの難しさも感じているんです。なので、もう少し私自身の力をつけて、30分くらいの番組をやってみたい。もっともっと選手のことを発信したいなと思います。あと、いつかやってみたいのはスポーツ大会。スポーツのイベントをプロデュースしてみたいと思います。トラックもそうですし、駅伝もやってみたいです。

ーー今年は第101回の箱根駅伝が行われますが、西村さんにとって思い出の箱根駅伝はありますか?

第96回がすごく印象に残っていて、この年の4年生が私と同い年だったんです。当時は青学大が優勝したんですけど、東海大と青学と東洋大、駒澤大、國學院大が5強と呼ばれてたんですが、なかでも東海には黄金世代という最強世代がいたんです。東海が優勝かなと思っていたら、黄金世代を抑えて青学がトップだったという面白さがありましたし、國學院も史上最高の3位に入りました。

あと、相澤晃選手という当時の最強ランナーがいたんですが、彼がいる東洋大がまさかの10位だったり、6区では東海大の館澤亨次選手が57分17秒という今後破られることはないんじゃないかというタイムを打ち出したんです。いろんな思い出とエピソードがあって、第96回は印象に残っています。

國學院大を3位に導いた走りに感動

ーー西村さんは箱根駅伝を観る時にどういうところに注目していますか?

私は1区に注目してほしくて、1区は選手の人柄が出るんです。急に飛び出す選手がいたり、実力があっても選手の様子を伺って後ろにつく選手がいたり。最近の学生の傾向かもしれないんですが、あまり飛び出す選手がいなくなってきているんです。みんな伺ってるので、1区は毎年超スローになるんです。そういう意味では現地に行くなら1区はゆっくり走ってくれるので、行ってみるのは面白いと思います。

あと、1区が面白いと思ったら、2区、3区も面白いなと思ってもらえるので、ひとつのきっかけとして1区をみなさんにゆっくり観てもらえたらと思います。

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摄影/永田圭

ーー箱根を歴代走ったなかで、好きだったり印象に残ってるランナーはいますか?

殿地琢朗選手という國學院大の方です。殿地選手は第96回の箱根駅伝で國學院がこの時は史上最高の順位で3位になったんです。もともとトップ3を目指していたチームだったんですが、10区の時点で4位だったんですよ。なので、「國學院は厳しいかな?」と思っていたんですが、殿地選手が最後の最後で3位になったんです。國學院は当時勢いもあって、3位以内に入りたいということに力を注いでいた大学なので、それを叶えた殿地選手の走りには感動させられました。

ーー西村さんが観ているなかで、こういう選手に惹かれるという傾向はありますか?

まずは同郷の長野県出身の選手であったりとか、(NGT48の)新潟県出身のランナーとかは無条件に気になってしまいます。あと、私が観ていて面白いのは全国高校駅伝に出場していない選手です。箱根で活躍しているランナーも、意外と高校時代に全国区の大会に出ていない選手がいるんですよ。神野大地さんとかもそうなんですが、大学で実を結んだ選手もいて、中学や高校では全国区の舞台では出ていなかったんですけど、全国の舞台で花を咲かせているところを観るのはすごく嬉しいですし、応援したくなります。

ーーこれから箱根駅伝を観る方も、出身や経歴などに注目してみるのも楽しみになりますか?

例えば長野なら佐久長聖高が強いんですけど、箱根を走ってるランナー全員が佐久長聖かといったら違うんです。全日本大学駅伝でもアンカーを走った駒澤大の山川拓馬選手は長野なんですけど佐久長聖じゃなくて上伊那農業という高校で、全国高校駅伝に出場していない選手だったんです。当時も強かったんですけど、そういう意外な高校出身の選手はいっぱいいます。箱根のランナーは毎年すごい数が出るので、この選手はここ出身なんだなというのは注目してほしいです。

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摄影/永田圭

西村菜那子
1997年8月11日、長野県出身。元NGT48のメンバー。“駅伝に詳しすぎるアイドル”として、その知識を活かし陸上や駅伝関連のメディアに多数出演。メディアでのコラム連載も担当している。さらに自身の名前を冠したWebマガジン「#西村駅伝」を2023年3月よりスタート、自ら取材を行いコンテンツ配信を行っている。長野県長野市出身として2021年4月には「長野市城山動物園」の親善大使、同年9月には「NAGANO未来デザインアワード」のアンバサダーに就任。


Hair&make:Anri Toyomori (PUENTE.Inc)
Photo:Rika Matsukawa