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格闘技を通じて“熱狂を生むドラマ”が続々誕生!世界最高峰のヒーローたちがリングの上で熱戦を披露【ONEチャンピオンシップ大会レポート】

世界中で放映されているアジア最大の格闘技イベント『ONE チャンピオンシップ(以下、ONE)』は13日、東京・両国国技館で記念すべき100回大会『ONE:CENTURY 世紀』を開催した。大会はONE史上初となる2部制で行われ、第1部が8時半~14時、第2部が17時~23時で全22試合を実施。4階級のチャンピオンシップに3階級のトーナメント決勝、そして修斗vsPANCRASEの対抗戦など質・量ともに空前のボリュームで行われ、世界各国の格闘技ファンが集まった会場は終始お祭り騒ぎ。そんな“熱狂的空間”に包まれた大会の模様を全試合、結果を含めてたっぷりとお伝えする。

图标1482131451808佐藤校长 | 2019/10/18
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会場へ足を踏みれた途端、その見慣れない光景に驚き、目を大きく見開いた。

いつもなら“相撲の聖地”として親しまれている両国国技館が、日本にはない“外国風”の格闘技場へと変貌を遂げていたのだ。

観客席には日本人だけではなく、海外の格闘技ファンが殺到。ビール片手に、会場に流れる楽曲やリングガールのパフォーマンスに酔いしれていた。

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第1部は8時半からスタートし、初戦は韓国の新鋭ストライカー、クォン・ウォンイルとインドネシアのスノトの試合で開幕。クォンが1R1分43秒、パウンド連打によるTKO勝利を飾り、台風一過の青空のもと、会場を大いに賑わせた。

◆プレリム第1試合「キャッチウェイト(68.0 KG)」
× スノト / インドネシア
VS
○ クォン・ウォンイル / 韓国
1R 1分43秒 TKO(パウンド連打)

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続く第2戦は、同じく韓国のオールラウンダー、ユン・チャンミンとミャンマーのプー・トーが激突。ユンが1R目で難なくテイクダウンを奪い、リアネイキッドチョークで一本勝ちを収め、ONEの連勝を3に伸ばした。

◆プレリム第2試合「フェザー級」
× プー・トー / ミャンマー
VS
○ ユン・チャンミン / 韓国
1R  3分17秒 一本(リアネイキッドチョーク)

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3試合目には日本のトップバッターとして仙三が登場。チームラカイの新兵器、アディワンに対する仙三だったが、首投げから締め上げられ、スクランブルから立ち上がる瞬間に右手をついた仙三はヒジを負傷。試合続行不可能となり、TKO負けという無念の結果となった。

◆プレリム第3試合「ストロー級」
× 仙三 / 日本
VS
○ リト・アディワン / フィリピン
1R 1分57秒 TKO

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4試合目には、女子格闘技界に彗星のごとく現れた平田樹がリングに上がった。デビュー戦となった6月の上海大会で一本勝ちを納めている平田は、公言通り、強烈な右フックを軸とした打撃で終始、石毛を圧倒。アームバーを極め2Rで快勝し、ONE2連勝を飾った。

◆プレリム第4試合「アトム級」
○ 平田樹 / 日本
VS
× 石毛里佳 / タイ
2R 4分44秒 一本(アームバー)

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5試合目は、UFCではタイトルマッチまで辿り着いた実力者・岡見勇信が登場。10日の開幕記者会見では対戦相手のアギラン・ ターニを「これからのONEを背負っていく人材」と絶賛していたが、リングの上ではまだ岡見が上だった。1R目に裸絞めでギブアップ寸前までターニを追い込むと、その後もグラウンドで優位な体勢を保ち、判定勝ち。悲願だったONE初勝利を手にし、会場中に響き渡るほどの雄叫びをあげた。

◆プレリム第5試合「ウェルター級」
○ 岡見 勇信 / 日本
VS
× アギラン・ ターニ / マレーシア
3R 判定2-1

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6試合目は、ムエタイの歴代レジェンドであるサムエー・ガイヤーンハーダオがリングへ。対戦相手、ダレン・ ローランとの打撃の応酬の中、左のショートフックがクリーンヒット。“生ける伝説”が、2R1分22秒でKO勝ちを収め、勝負強さが健在だったことを証明してみせた。

◆プレリム第6試合 ムエタイ「ストロー級」
○ サムエー・ ガイヤーンハーダオ / タイ
VS
ダレン・ ローラン / フランス
2R 1分20秒 KO(左ショートフック)

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7試合目には、3月に続いてONE日本大会2連続出場となった“リトル・ピラニア”、若松佑弥が“韓国バンタム級の裏番長”キム・デファンと対決。1R途中で右手を負傷した若松だが、最後まで矢のような左ジャブを当て続け、3-0で判定勝利をもぎ取った。 

◆プレリム第7試合「フライ級」
○ 若松 佑弥 / 日本
VS
× キム・デファン / 韓国
3R 判定3-0

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そして8試合目からは、第1部の注目の試合が続いていく。はじめはONE世界ライト級王者クリスチャン・リーが登場。本来ならエディ・アルバレス(アメリカ)が出場する予定だったが、負傷欠場により急きょ参戦したリー。それでも3Rに及ぶ消耗戦を制し、3-0で判定勝ち。これによりW王座を獲得し、現役王者の貫禄を見せつけた。

◆コーメインイベント「ライト級ワールドグランプリ決勝」
○ クリスチャン・リー / シンガポール
VS
× ザイード・フセイン・アサラナリエフ / トルコ
3R 判定3-0

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続く9試合目は、米国と日本のハーフである強豪ジャネット・トッドが圧巻の試合を見せる。東欧ベラルーシの首都ミンスクで活躍するムエタイチャンピオンのエカテリーナ・ヴァンダリーバとの攻防戦の中で、右ハイキックが相手の首にクリーンヒット。2R2分29秒で鮮やかなKO勝利を飾った。

◆コーメインイベント・ムエタイ「アトム級」
○ ジャネット・トッド / アメリカ
vs
× エカテリーナ・ヴァンダリーバ / ベラルーシ
2R 2分29秒(KO 右ハイキック)

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第10試合目は、UFCのタイトルを11度防衛し、史上最高のパウンド・フォー・パウンド(階級を超越して与えられる最強の称号)の総合格闘家として知られるデメトリアス・ジョンソンが登場。2R、フィリピンの英雄ダニー・キンガッドに腕を狙われるシーンも見られたが、危なげない試合運びで判定勝利。世界トーナメントの頂点に立った。

◆コーメインイベント「フライ級ワードグランプリ決勝」
○デメトリアス・ジョンソン / アメリカ
vs
× ダニー・キンガッド / フィリピン
3R 判定3-0

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そして11試合目、第1部のメインイベントが行われた。ONE女子アトム級王者アンジェラ・リーと、挑戦者となるONE女子ストロー級王者ション・ジンナンが激突。3月の日本大会でストロー級王座に挑戦し、ジンナンに5R1分37秒、TKO負けを喫していたアンジェラ。試合は前回の悪夢が蘇るようなションの猛攻を受けるも、寝技の攻防から攻め込み、5R4分48秒、リアネイキッドチョークを極め一本勝ち。前回の雪辱を果たし、4度目の防衛に成功した。

◆メインイベント「女子アトム級世界タイトルマッチ」
○ アンジェラ・リー /シンガポール
vs
× ション・ジンナン / 中国
5R 4分48秒 一本勝ち(リアネイキッドチョーク)

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ここからは17時からの第2部がスタート。最初の4試合は「修斗vsパンクラスの対抗戦」から始まる。その初戦を飾るのは、久米鷹介と松本光史。「修斗」と「パンクラス」の王者同士の対決だ。久米は1Rにバッティングで目尻をカットする不運も、得意のリアネイキッドチョークを狙うなど果敢に攻め立てる。そのまま「RIZIN」に出場経験のある松本を圧倒し、3-0の判定勝ちで激戦を制した。

◆プレリム第1試合「ライト級」
○ 久米 鷹介 / 日本
VS
× 松本 光史 / 日本
判定 3-0

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続く2試合目は、パンクラスのウェルター級世界王者・手塚裕之が修斗のエルナニ・ ペルペトゥオに対してアグレッシブな打撃戦を繰り広げる展開に。手塚は最後まで試合の主導権を握り、判定勝ちで接戦をものにした。

◆プレリム第2試合「ウェルター級」
○ 手塚 裕之 / 日本
VS
× エルナニ・ ペルペトゥオ / ブラジル
3R 判定3-0

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3試合目は、修斗世界バンタム級王者で、現在4連続TKO勝利と絶好調の佐藤将光が登場。その勢いのままに、2R、パンクラスのバンタム級王者ハファエル・ シウバを攻め立て、膝蹴りからのパンチのラッシュを浴びせていく。防戦一方となったシウバが倒れ込んだところでレフェリーが割って入り、佐藤が鮮やかなKO勝ち。連続TKO勝利記録を5に伸ばした。

◆プレリム第3試合「バンタム級」
○ 佐藤 将光 / 日本
VS
× ハファエル・ シウバ / ブラジル
2R 4分30秒 TKO(膝蹴りからパンチ)

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この日、一番強烈な印象を残したのはこの男だと言っても過言ではない。修斗世界ストロー級王者・猿田洋祐だ。「修斗vsパンクラスの対抗戦」最終戦。猿田は、パンクラスのストロー級世界王者・北方大地相手に2R序盤、左ハイキックを見事に捕まえテイクダウン。左フックが北方の顎を打ち抜き、パウンド連打で一気にTKO勝ち。試合後には「これが修斗です!!」と大声で修斗の強さをアピールすると、それに呼応するかのように会場のボルテージはさらに跳ね上がった。

◆プレリム第4試合「ストロー級」
○ 猿田 洋祐 / 日本
VS
× 北方 大地 日本
2R 0分59秒 TKO(左フック)

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会場が熱気に包まれたまま登場したのは、「V.V Mei」の名前でも活躍する元DEEPジュエルスフェザー級王者の山口芽生。王座挑戦経験のあるジェニー・ファンの猛攻に苦しむ場面もみられたが、グラウンドの攻防に持ち込み、得意の打撃でファンを攻め立てる。寝技では常に上から攻め続け、最後まで試合を支配した。判定勝ちした山口は、試合後、ONEのチャトリCEOに向け「タイトル挑戦させてください」と試合を要求。第1部でション・ジンナンを下したアンジェラ・リーが保持する女子アトム級のベルトへの挑戦を熱望した。

◆プレリム第5試合「アトム級」
○ 山口 芽生 / 日本
VS
× ジェニー・ ファン / 台北
3R 判定3-0

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6試合目には、2012年ロンドン五輪フリースタイル・レスリングのカナダ代表のアルジャン・ ブラーが登場。イギリスの総合格闘技団体ケージ・ウォリアーズのヘビー級王者で、ベテラン打撃手のマウロ・チリリ相手にも屈することなく、接戦を制して判定勝ち。ONEデビュー戦で、元五輪レスラーとしての潜在能力の高さを見せつけた。

◆第6試合「ヘビー級」
○ アルジャン・ ブラー / インド
VS
× マウロ・ チリリ / イタリア
3R 判定3-0

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そして7試合目からは、第2部の注目のラインナップが揃い踏み。その先陣を切るのは、K-1 WORLD MAX世界大会を2度制している“ドクター”ことジョルジオ・ ペトロシアンと、フランスのムエタイ戦士サミー・ サナ。1Rからリーチのあるサナに対して自分の距離を保っていくペトロシアンは、磐石な試合運びで相手に付け入る隙を与えない。その中で多彩な技を繰り出し、そのまま相手に流れを渡さず判定で見事試合を制した。これにより優勝賞金1億円を手中に収めたペトロシアンは、試合後「チームで喜びを分かち合いたい」と興奮気味に語った。

◆コーメインイベント「フェザー級キックボクシングワールドグランプリ決勝」
○ ジョルジオ・ ペトロシアン / イタリア
VS
× サミー・ サナ / フランス・アルジェリア
3R 判定3-0

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続く8試合目は、激戦区のフライ級ムエタイで頂点に君臨する王者ロッタンが登場。挑戦者のボルター・ゴンサルベスと壮絶な打ち合いを繰り広げる中、時折、「かかってこいよ」と言わんばかりの真っ向勝負を要求するパフォーマンスを披露。エンターテイナーとしての一面を見せながら、5Rにわたる攻防戦を制し、初防衛を飾った。

◆コーメインイベント「フライ級ムエタイ世界タイトルマッチ」
○ ロッタン・ ジットムアンノン / タイ
VS
× ボルター・ ゴンサルベス / ブラジル
5R 判定2-1

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9試合目に行われたのは、ONE世界バンタム級王者ビビアーノ・フェルナンデスと、前王者ケビン・ベリンゴンとの防衛戦。ビビアーノは1R、グラウンドの攻防に持ち込み終始、主導権を握って試合を進めるが決めきれず。それでも2R、ビビアーノは絞めを狙い、スタンドから寝技に持ち込むと、裸絞めでケビン・ベリンゴンがギブアップし、一本勝ち。4度目の両者対決で完全決着をつけた。

◆コーメインイベント「バンタム級世界タイトルマッチ」
○ ビビアーノ・ フェルナンデス / ブラジル
VS
× ケビン・ベリンゴン / フィリピン
2R 2分16秒 一本(裸絞め)

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そして、日本の格闘技ファンにとっては最大のメインイベントと言ってもいいだろう。日本を代表するグラップラー、青木真也の登場だ。お馴染みの登場曲、ウルフルズの『バカサバイバー』を会場に響かせながら、ファンの声援を背にリングイン。開始のゴングが鳴ると、青木は開始早々にホノリオ・ バナリオからテイクダウンを奪い、ダースチョークであっという間の1R54秒一本勝ち。まさに“秒殺”で決着をつけた青木は、喜びを爆発させてリングを飛び出し、ステージ上であぐらをかきながら勝利に浸っている様子だった。試合後、青木は「36歳になって、家庭壊して、好きなことやって、どうだお前らうらやましいだろ!!!」と観客を煽り立てながら、「とにかくいいものを作るために、これからクリエイティブなライバルたちに勝つために必死に生きていきます」とコメント。電光石火のKO劇に、会場はこの日一番の織り上がりを見せていた。

◆コーメインイベント「ライト級」
○ 青木 真也 / 日本
VS
× ホノリオ・ バナリオ / フィリピン
1R 54秒 一本(ダースチョーク)

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そして最後に、『ONE:CENTURY 世紀』最大のメインイベントとして、現ONE世界ライトヘビー級王者アウンラ・ ンサンと、ONE世界ヘビー級王者ブランドン・ ベラの一戦が行われた。ンサンは試合中盤、ベラは連打とヒザ蹴りでバランスを崩す場面もあったが、左右のパンチで逆に相手をぐらつかせると、左膝をベラの頭部に打ち込み、そのままパウンドの連打でTKO勝ち。ミャンマーの英雄が、ONE100回大会を勝利で締めくくった。

◆メインイベント「ライトヘビー級世界タイトルマッチ」
○ アウンラ・ ンサン / ミャンマー
VS
× ブランドン・ ベラ / フィリピン
2R 3分23秒 TKO(パウンドの連打)

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全22試合、約11時間半にわたって行われ、大いに盛り上がった『ONE:CENTURY 世紀』。

さまざまなバックグラウンドを持った格闘家がリングに上がり、熱い戦いを繰り広げる中で、数々のドラマが誕生した。会場に集まったファンは、その一つひとつのストーリーに魅了され、各国の格闘技を存分に楽しんだことだろう。

ONEは、いずれまた日本にやってくる。3度目の開催の際には、さらに魅力溢れるエンターテインメント、そして選手たちが格闘技を通じて生み出す、今大会以上の“熱狂を呼ぶドラマ”が見られることを期待したい。


取材・文/佐藤主祥
照片/(C)ONE Championship

■ONE チャンピオンシップ公式サイト https://www.onefc.com/jp/