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東京ヴェルディがレアルソシエダと対戦 「久保建英選手の技術の高さは刺激になった」

『Real Sociedad Japan Tour 2024』が29日に国立競技場で行われ、レアル・ソシエダが東京ヴェルディに2-0で勝利した。試合に敗れた東京ヴェルディの城福浩監督が会見、この試合で東京ヴェルディでのデビューを飾った熊取谷一星選手が囲み取材に応じ、試合を振り返った。※トップ:画像提供/東京ヴェルディ

图标 fopv vbvqbakadu白鸟淳一 | 2024/06/15

――まずは試合を振り返って一言お願いします。

城福監督:最後は際どい勝負に持ち込みたかったですが、この試合でリーグ戦のレギュラー選手を入れなかったのも、「経験になる」と思ってユースの選手を起用したのも私の決断です。

選手は頑張りましたが、0対2で敗れてしまいました。試合の手応えを結果に連動させられなかったのは私の責任だなという風に思います。

今日の試合は多くの方に来ていただきました。「気が抜けたプレーだけはしない」という意味では、選手は今持てるものを出してくれたかなという風に思います。

今日の試合に出たメンバーは特にリーグ戦に絡んでいけるように、私も絡ませてあげられるように、我々もしっかりサポートしていきたいと思います。

 

――この試合で感じた手応えと課題を聞かせてください。

城福監督:今日は初めての(組み合わせとなる)メンバーだったので、前半はプレスの仕方や、どこに対して強くプレスに行くべきなのかが選手もわかりませんでしたので、感覚を掴むまでは、ソシエダにボールを回されてしまったかなと思いました。

だと前半の途中から徐々に慣れてきましたが、(前半終了間際の)あの1失点ですね。

あれは3バックにした時に、ボランチの最終ラインの調整がうまくいかなくて、本来は下がる必要はないボランチが最終ラインに入ってしまったんですよ。

ただ、これは今日初めてのメンバーだったからこその失敗でもあるので、今後の学びとして次に生かせればいいなと思います。

 

――東京ヴェルディのユニフォームを着て初めてプレーすることになった熊取谷選手は、縦の突破やターンなどで見せ場を作りました。監督の評価を聞かせてください。

城福監督:彼があれくらいのクオリティを示すのは我々も分かった上でオファーを出しましたし、チームメートも彼がどんなプレーをするのかを今日は知れるいい機会だったと思いますし、しっかりと自分のプレーをしてくれたと思います。


――レアル・ソシエダの久保建英選手のプレーをご覧になられた印象を聞かせてください。

 城福監督:コンディションが万全ではないのは承知していましたし、もちろん来日メンバーを含めて万全ではないことはわかっていましたが、(実際に対戦してみて)「ポゼジショナルなプレーがフィロソフィとして共有されているな」と感じましたし、我々のかけるプレスが甘くなったところを完全にかわしてくるという意味では、彼らが持つ基本技術の高さも感じられました。

試合の終盤は交代選手の(技術や経験の)差が出てしまいましたが、試合終盤に出場したソシエダの若手選手と我々の間には大きく差があるように感じた。ソシエダは下の世代からボトムアップしているので、我々もしっかり学ばなきゃいけないなという風に思いました。

久保選手がある意味でスポットライトは見る試合になるとは思っていましたが、我々としては「我々がそれをお膳立てするのか?……」と。「(ヴェルディの選手に)引き立て役になるな」と言って送り出しましたが、それでも決定的な仕事をやはりしてくれるという意味での(久保選手の)技術の高さは、(ヴェルディの)選手にとって良い刺激になったんじゃないかな思います。


 ーー今日の試合は、サポーターの声援の代わりにバックスタンドでブラスバンドの演奏が鳴り響く中でのプレーでした。ベンチにいて気になりましたか?

城福監督:いいえ、ピッチ上では全く気にならなかったです。普段のJリーグは異なる“イベント的な要素”があるのは事前に承知していましたけども、 我々が健闘することによって相手が本気になるだろうと思っていましたし、我々が相手を本気にさせるには、自分たちの持てる力を出すことがが何よりも大事でした。 

ピッチ上でプレーした22人は、イベント的な要素っていうのはそんなに意識せずに、今持てる力をコンディションの中で、近い力を出し合ったんじゃないかなと思います。

――試合終盤は若手選手の起用が見られました。

城福監督:ユースの選手が2人いて、「どこで使ってやろうかな」と思っていました。

その時のスコアはまだ0対1でしたから、我々としては若い選手に経験をさせることと、選手たちに同点に追いつき、逆転していくようなプロセスを歩ませること。双方について考えながら、ギリギリで判断しました。

もしこの勝負にこだわるのならば、おそらく ユースの選手はベンチに入らなかったでしょうし、試合の終盤に最後にレギュラー組を起用していれば、結果も変わったかもしれない。

選手のセレクトは自分の責任でもありますが、若い選手たちには自分たちが目の当たりにしたソシエダとの差を、ぜひ経験にしてほしいと思います。

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画像提供 / 東京ヴェルディ

続けて、明治大学に在学し、来季の東京ヴェルディに加入が決まっている熊取谷選手が取材に応じ、レアル・ソシエダの印象を語った。

なお、世代別の日本代表に選出されてきた熊取谷選手は、この試合で東京ヴェルディとして初の試合出場を果たした。


――後半11分には、縦方向への持ち出しからマイナスのクロスで古川真人選手のシュートに繋げました。

熊取谷選手:1回中に行こうとしたんですけど、相手の重心がちょっと内側に寄ったので、「縦にいけるな」ということで縦に勝負できて、それが結果的にシュートまで繋がったのでよかったです。

ーー相手を背負いながらのターンも印象的でした。

熊取谷選手:そうですね。それは1つ自分の持ち味ですし、1回だけじゃなくて、もっともっと出せる部分はあったと思います。

――レアル・ソシエダの印象を聞かせてください。

 熊取谷選手:単純にボールを取られないとか、 「蹴る」「止める」の技術が高いなとは感じましたし、その中で守備をしていく中で、やっぱり自分の1つのポジショニングとかにはこだわらなければいけないなと感じました。

――城福さんからどんな指示受けて、ピッチに立ちましたか?

熊取谷選手:まずは守備のところで戦術がありましたが、攻撃の部分は自分の良さを出すことを意識しました。

 ーー海外のチームとの親善試合でのデビューは、もしかしたら珍しいかもしれません。

熊取谷選手:想像していませんでしたので、最初はちょっと驚きました。「1発目がソシエダか……」とは思いましたけど、でも自分の力がどれだけ出せるのかを試せる場だと思ったので楽しみです。

――レアル・ソシエダと対戦した印象は?

熊取谷選手:対峙した選手だけではなく、全ての選手のポジショニングが良かったですし、スピード感や止めてから蹴るまでの速さとか、判断力にも驚きました。

――この経験をどこに生かしたいですか?

熊取谷選手:(明治大の栗田大輔)監督からは「自分のプレーを発揮して楽しんでこい」と送り出してもらいましたが、(来年春まで在籍する)明治大学のおかげで今日のこの舞台を経験できているところもある。

(ソシエダは)明治が目指すサッカーと似ている部分もあるので、この試合の経験を明治大に還元するつもりで、今日の試合に臨みました。

――東京ヴェルディの特別指定選手としてプレーする可能性もありますが?

熊取谷選手:そうですね。大学のリーグ戦がない週とかに限られると思うんですけど、まずは明治でしっかりプレーしたいです。

 自分もいずれは海外のクラブでプレーしたいですし、そこを目指してサッカーやっていますが、今は明治で全力でプレーすることが大切だと思っています。

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画像提供 / 東京ヴェルディ