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名古屋から世界へ、佐野明政が語るBEAMS CREATIVEの挑戦と未来!

BEAMS CREATIVEのプロデューサーである佐野明政氏は、名古屋出身であり、大学卒業後にBEAMSに入社。2014年にはBEAMS JAPANのプロジェクトリーダーに任命された。2018年にはグランパスとのコラボレーションをきっかけに、「大名古屋展」プロジェクトを開始。約5年にわたるこのプロジェクトの成果や課題、そして今後の抱負について語る。名古屋・愛知の魅力を発信し続ける佐野氏の思いと取り組みを紹介する。※トップ画像:撮影/長田慶

图标Ippei Ippei | 2024/06/14

BEAMS JAPANの視点で名古屋・愛知の魅力を発信したい

――最初に、佐野さんの今までのキャリアをお聞かせください。

実は名古屋出身なんです。名古屋の卸売市場で働いていましたが、大学を卒業してBEAMSに入社し、4年間ほどお店の販売員を務めました。
その後、アウトレット事業やB:MING by BEAMSというライフスタイル事業の立ち上げに携わりました。2014年にはBEAMS JAPAN事業を立ち上げるプロジェクトのリーダーに任命され、その後は商品の小売と並行して法人向けビジネスも推進しました。そして、2022年からはBEAMS SPORTSというブランドにもプロデューサーとして関わっています。

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摄影/永田圭
――今回の「大名古屋展」を始めるきっかけやプロジェクトに込めた思いとは?

2018年にグランパスさんから「夏に地域を盛り上げるお祭りをやりたい。その際に選手が着るユニフォームをデザインしてほしい」というご相談をいただきました。それがきっかけで、名古屋・愛知の魅力を発信する取り組みが頭に浮かびました。

私は名古屋出身なのですが、とあるデータを見つけた時、名古屋が「8大都市の中で魅力がない都市ナンバーワン」と言われていたことに驚きました。名古屋の魅力を知っている自分からすると、紹介の仕方をもっと工夫できるのではないかと思い、BEAMS JAPANの視点で名古屋・愛知の魅力を発信したいと考えたのがスタートです。

BEAMS JAPANの立ち上げから、日本のさまざまな魅力を紹介する活動を進めてきました。地域の魅力を発信するプロジェクトを進める中で、名古屋・愛知の魅力を広めることができれば、もっと多くの人に喜んでもらえるのではないかと考えました。

この活動を通じて、名古屋・愛知の魅力を再発見し、多くの人に知ってもらうことができることに喜びを感じています。

まだまだ「大名古屋展」が広く認知されているとは思っていません

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摄影/永田圭
――「大名古屋展」が始まったのが2019年ということは、約5年ですね。立ち上げから現在の成果や成長をどのように感じていますか?

そうですね。本当にやるたびに僕自身も名古屋や愛知の知らなかった部分を学びながら進めているのが正直なところです。嬉しいのは、毎年夏に開催するこのイベントをお客様が「今年もやるんだ」と楽しみにしてくれていることです。
名古屋だけでなく東京の新宿でも「大名古屋展」をやるんですが、年々その声が増えていて、新宿でも同じように期待を感じられるのが本当に嬉しいです。お客様がBEAMS JAPANがどういう名古屋の魅力を紹介するのか楽しみにしてくれているのを実感しています。

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摄影/永田圭
――逆に、やっていく中で感じている課題などありますか?

この「大名古屋展」のプロジェクト自体が、準備に約1年を要します。5月末に記者会見を行い、7月や8月に「大名古屋展」が開催されるまでに多くの企業と話し合いを重ねています。地元企業から興味を持ってくれることもあれば、自分たちからドアノックすることもあります。しかし、すぐに「やりましょう」となるわけではなく、課題や可能性を話し合うのに2〜3ヶ月かかり、実際に商品がお披露目できるのは4ヶ月後です。これには企画の時間としてはかなりタイトですので、もう少し準備期間を長くできればいいなと思っています。

課題としては、「大名古屋展」の認知度をもっと上げたいと考えています。イベントという特性上、開催期間が短いこともあり、まだまだ「大名古屋展」という取り組みが認知されているとは思っていません。その点はこれからの課題と感じています。

――特に届けたいターゲット層やイメージされていることは?

まずは若者たちに名古屋や愛知の素晴らしさを伝えたいと思っています。それを実現するために、この「大名古屋展」を続けていきたいです。実際に若者たちに届けるためには、参加企業においても社内で決定権を持っている30代や40代の方々だけでなく若手社員にも関わってもらうことが重要です。

今回の参加企業の取り組みには20代の社員たちも参加してくれていますが、そういった若い世代が自分ごととして捉えてくれるのはとても発展性があって素晴らしいことです。一般的な話として当社が企業との協業を行う中で、一緒に企画を進めているのは30代や40代の方が多いのですが、今回のように20代の若い世代と一緒に活動することには大きな意味があると思います。

BEAMSは、私たち世代、40代や50代の方々にとっては馴染みのあるブランドです。昔BEAMSで買い物をしていたり、オレンジのショルダーバッグが欲しかったという話をよく聞きます。しかし、今の20代の子たちの中には、BEAMSにあまり馴染みがない子もいるかもしれません。そういう意味でも、若い世代の方と名古屋や愛知の魅力を伝える仕事でご一緒できることには価値があることだと考えています。

――今の若い世代について、ファッションに対する優先度はどう感じていますか?

今の若い世代の中には、ファッションに対する優先度が変わってきていると感じます。昔はデートのために洋服を買うというのが普通でしたが、今は必ずしもそうではないかもしれません。現代では、携帯や動画配信サイトなど、お金を使う楽しい場所がたくさんあります。

私たちが若い頃のように、ファッションだけが重要だった時代とは少し異なっているのかもしれません。そういう条件のなかで、私たちが若い世代に対してどのようにアプローチできるかを考えることは、ますます重要になると思っています。ファッションを通じて何かお手伝いできることがあれば、それはとても嬉しいことですし、一緒に何かをしていきたいと常に思っています。

名古屋や愛知のような、受け皿のある都市でおもてなしをすることが大切

――今、日本国内ではインバウンドが盛んですが、思い描いている戦略などは?

毎回、「大名古屋展」を実施していて個人的に感じるのは、名古屋や愛知はインバウンドが少ないことです。私たちのBEAMS JAPANのディレクターなど、日本全国を飛び回っている仲間たちも、「名古屋は少ない」と言っています。インフラも整っているし、交通やホテルも充実しているのに、なぜインバウンドが少ないのかと考えます。

東京や大阪、京都などの都市はオーバーツーリズムの状況です。岸田首相が目指している6000万人の観光客を受け入れるためには、名古屋や愛知のような、まだ受け皿のある都市でしっかりおもてなしをすることも大切だと思います。特に「大名古屋展」の開催を重ねて名古屋や愛知の魅力を知る私からすると、そのポテンシャルは十分にあると感じています。

この5回の「大名古屋展」を通じて、名古屋や愛知の奥深い文化や魅力を知ることができました。こういったことを海外の方にも伝えていくことで、興味を持ってもらい、訪れてもらえるきっかけになる可能性はあると思います。

私がバルセロナに行ったらカンプ・ノウでサッカーを見たいと思うように、名古屋に来たらトヨタスタジアムでスポーツを楽しんでもらうことがあたりまえになったりすれば、素晴らしいですね。2025年にはドルフィンズアリーナも新しいIGアリーナに変わります。例えば、名古屋・愛知においてスポーツを中心にしたツーリズムを組み合わせることで、海外の人にも興味を持ってもらえるかもしれません。

ファッションとスポーツは相性がいいと感じています。ファッションはテンションを上げたり、気分をよくしたり、モチベーションを上げる力があります。スポーツも一体感や高揚感を生み出す力があります。これらを組み合わせると、海外の人にも興味を持ってもらえるような取り組みになるのではないかとも考えています。いろいろなことを仕掛けて、名古屋や愛知の魅力を発信していきたいと思います。

名古屋・愛知はスポーツが盛んだからこそ、できること

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摄影/永田圭
ーー最後に、「大名古屋展」やBEAMS JAPANの今後の抱負や展望をお聞かせください。

「大名古屋展」については、今回で5回目を迎えることができ、本当にありがたく思っています。これからも6回、7回、8回と続けていきたいです。名古屋・愛知にはまだまだ魅力があり、その魅力を伝えきれていないと感じています。この取り組みを続けることで、さらに多くの人に名古屋・愛知のよさを知ってもらいたいです。

今回、名古屋ダイヤモンドドルフィンズさんが参加してくれたこともあり、スポーツとファッション、地域をかけ合わせることで、多くの人に喜んでもらえると実感しています。名古屋・愛知はスポーツがとても盛んですので、私たちがハブとなってその魅力を伝えていきたいです。

「大名古屋展」以外でも、川崎市の市制100周年イベント「かわさき飛躍祭」のオフィシャルグッズやロゴのデザインなども、BEAMS JAPANと並行して私が関わっているBEAMS SPORTSで手がけています。こうした地域とスポーツ、ファッションを絡めた活動を通じて、多くの人に喜んでもらえるようなことに意義を感じています。

また日本の大切な文化を伝え、発展させる取り組みも続けていきたいです。銭湯の文化など、BEAMS  JAPANが日本の魅力を発信し続けることで、多くの人にその価値を届けたいと考えています。