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“中西哲哲x铃木直弘”登场! ALE14#01访谈报告 - 威胁窃取基地成功率为82.9%的秘密策略是什么? 〜“左手投球很容易被偷走”

2017年1月30日、スポーツジャーナリストの中西哲生氏がナビゲーターを務め、スポーツを伝える”言葉”を探求するライブイベント「ALE14」の#01が開催された。現役時代、82.9%という脅威の通算盗塁成功率を誇る「走塁のスペシャリスト」こと元読売ジャイアンツ・鈴木尚広氏をプレゼンターとして招聘し、特別登壇した。当日の模様をお届けする。

图标 16442758 1382702521799890 1774501613 o西村先生 | 2017/02/09
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開催場所は恵比寿アクトスクエア。「神の足」を持つ男として異名を持つ鈴木氏が現役引退後、すぐに講演をするということで、それを一目見ようと数多くのファンと報道陣が集まり、会場は賑わいをみせていた。テーマは「誤解だらけの盗塁」、「誰も教えてくれなかった盗塁のコツ」。

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実に、鈴木氏らしいテーマである。日本のプロ野球界で200盗塁以上記録している中で成功率歴代一位の男は、何を語るのか?巨人一筋20年、現役を引退したばかりの鈴木氏。会場は、今か今かと鈴木氏の登場を待ち望んでいた。会場にはビュッフェ形式の料理とアルコールを含むドリンク類が並んでおり、豪華なステージが用意されていた。ある女性ファンの方は彼の本を握りしめ、また、あるファンの方はカメラをスタンバイして、登場にあわせて写真の準備をしていた。

まずナビゲーターの中西哲生氏が登場し、会場の方々にご挨拶と、ALE14の紹介が行われた。こちらのイベントはクラウドファンディングのサポーターから資金を集い、同時にプレゼンテーションは動画コンテンツとしてネット配信しているという。また、鈴木氏に聞いてみたい質問もリアルタイムに受け付けることができ、インタラクティブな講演であることを印象付けた。そして、大喝采のもと、鈴木氏が登場した。

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最初のテーマは「誤解だらけの盗塁」。ステージ登壇の際、軽く会釈をして、本日のテーマを紹介した時、鈴木氏は野球の世界、そして盗塁の世界には様々な誤解があると言った。そして、「なぜ、私は82.9%の盗塁成功率を収めることができたのか?」と続けた。

まず鈴木氏が、1つ目の誤解の例として上げたのが左ピッチャーに対しての意識だ。一般的に「左ピッチャーは盗塁しにくい」と言われる。しかし、むしろ逆で、ピッチャーを正面からみることができるからそのような苦手意識を持つ必要がないのだという。ピッチャーを正面からみていると意識すれば形成をメンタル面から逆転できる。その優位なメンタル面の確保、自分の状態に気づけると、「左ピッチャーは盗塁しやすい」に変わるのだと力説した。

また、しつこく牽制されるとスタートが切りにくい、と言われる。だが、ここでも鈴木氏はこれも誤解だと主張した。何故なら、ピッチャーとの間合いや駆け引きが徐々に時間の経過と共に、つかめるようになってくるからだ。相手ピッチャーが牽制球を投げると、それは相手ピッチャーに関する多くの情報を得ることができる。そのデータが重要なのだと鈴木氏は言う。

一般的に、代走の選手は最初の1,2球は様子を見て躊躇する傾向にある。だが、それではダメだと鈴木氏は說明する。考えず躊躇を決め込んでしまって、逆にバッターが追い込まれたりするようであれば、チャンスを掴みにくくなってしまう。なので、先に相手に警戒される選手になればなるほど、試合中、実はたくさんの情報を得られ、勝負は有利になっていく。相手ピッチャーとの間合いや傾向を掴んでしまえば、むしろ、スタートが切りやすくなるのだ。

次に、一般的に盗塁する”フリ”はどうか?鈴木氏は、ここでも実はあまり意味がないと主張する。フリとはいえ、何回もやっていては疲れるし、体力は一発の瞬間にかけ、温存しておくべき。また、その行為もピッチャーに段々読まれてしまうのだと說明する。

では、重要なことは何か?「クセを盗む?」。これも誤解だという。

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相手にクセがあってもなくても、代走者は走らなくてはならない。なので、相手のクセに頼っているようではダメなのだ。クセではなく、ピッチャーの傾向を調べあげることが大事。それを徹底的に。受験生の参考書ではないが、傾向と対策を練っておくこと、その事前準備が何よりも大事なのだという。

ピッチャーは大きく3つのタイプに分類できると鈴木氏は続ける。
A. 走られてもいいピッチャー
B. 走られたくないピッチャー
C. どちらでもいいピッチャー

特に3つ目のランナーに対して無警戒でもなく、何を考えているかわからないCが一番厄介で、鈴木氏も現役時代、一番苦手としていたという。

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また、さらにピッチャーの牽制は2つのタイプに分類できる。
A. 牽制アウトを狙ってくる
B. ランナーに戻る意識を植え付けようとする

その為、ベンチにいる時から相手ピッチャーの行動を観察することが大事で、データ勝負こそが盗塁成功の生命線だったと鈴木氏は語る。

最後に、盗塁を誤解されている点は、盗塁はキャッチャーとランナーと勝負と思われている点だと指摘する。しかし、鈴木氏の見解はここでも異なり、盗塁はあくまでピッチャーとランナーの勝負だと断言できるという。ピッチャーとの駆け引きにさえ勝てば、絶対に盗塁は成功できる。今後野球をみる際はそういう部分も是非注目してみてほしい、と最初のセッションを締めくくった。

セッション後、中西哲生氏は「(野球の世界も)言語化しないと伝えられない、伝わらないという意識があったそうです」と鈴木氏の說明の仕方に補足し、「非常に冷静にプレゼンできていて、凄いと感じました」と述べた。また、「サッカーにも共通する部分を感じました」とコメントした。

次のセッションのテーマは「誰も教えてくれなかった盗塁のコツ」。
2回目のステージ登場の際は、鈴木氏はジョークで「この中で、もっともっと盗塁したい方、もっと盗塁が上手になりたい方、いらっしゃいますか?」といい、会場の笑いを誘っていた。続けて、「このプレゼンは皆さんの何の役に立たないかもしれません(笑)」とスタートを切る。現役時代から間も無くのスピーチとは思えないほど冷静で、余裕を持ち合わせていた。

鈴木氏は、盗塁には5つのコツがあると說明する。
1.自分を知る
2.ピッチャーを見すぎない
3.力を抜く
4.動く歩道
5.究極のスライディング

まず、「リードとは自分を知ること」である。これはセーフティーリードの幅を知ることが大切だ、という意味だ。これを掴めるようになると、必要以上に牽制球を意識しなくてよくなるという。許容範囲を知ることが何よりも成功の近道だと語る。

「私のリードは13歩です。大きいですか?」

実際に会場のステージ上で13歩を歩いてみせる鈴木氏。実際の試合では、地面に線を引いて目印にしていたという。この位置が基準となるのだ。

そして、ピッチャーによって微調整を行う。牽制がうまいピッチャーに対して半歩マイナスにしたり、牽制が下手なピッチャーには2歩プラスにしたりするという。次に、ピッチャーを見すぎないことも大事だという。自分の基準を定めてリードをとったあと、ピッチャーが動かなければ、自分も動くことが基本的にはできない。

正面に意識をおきながら、横にスタートを切る。その際にピッチャーの動きに集中しない程度に意識しないといけない。あまり前のめりになってしまうと、横に良いスタートが切れなくなるからだ。少しでも、数cmでも前のめりになってしまうと命取りになるのだと訴える。なので、スタートの特に一瞬「力を抜く」ことが大事だと語る。

「力を抜く」とは、自分で自分に加速させるためのスイッチをいれる瞬間だという。スタッフの方と押し相撲を行い、自身の理論を実演してみせる。一瞬力を抜き、膝と顔の位置が下がるのを注目してほしいと良い、実演した。ここでも会場で笑いを誘い、聴衆を飽きさせない工夫は圧巻だ。

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そして、陸上の走り方との違いについて。上体が上った状態で勝負がつく陸上に対し、盗塁は上体が上がる前に勝負がつく。ここが違うのだと說明する。

「鈴木尚広のスライディングは怖い」と相手球団から言われていた。だが、鈴木氏のスライディングは怪我のリスクが高いと言われたことがあった。しかし、ここでも鈴木氏の発想は真逆だった。それはなぜか?

一般的なスライディングのように、やや遠目からスライディングすると足が伸び切った状態で野手とぶつかった場合上下左右の逃げがなくなり、足がクッションの役割を果たすことができなくなってしまう。よって、怪我のリスクも高まり、盗塁成功率も落ちてしまうのだと解説する。

大事なことは、自分を保護するスライディングの形を頭で理解して、実演できるほど体でマスターすることだ。すると見違えるほど成功率は高まる。他の選手より、「相手に怖い」と思わせる盗塁をすることで、さらに相手の野手も怖いはず。より優位な立場で盗塁できるようになる。今後も「(盗塁について)まだまだ追求していきます。またどこかでお会いしましょう!」と鈴木氏は第2部のセッションを締めくくった。

最後の第3部は、鈴木尚広×中西哲生の対談形式のディスカッション。内容は、リアルテイムで参加者から募集した質問に回答する形式で実施された。

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対談中、スタートで加速させるときや、ギアをあげる瞬間、関節を曲げることが大事であると、中西氏のコメントに対して、鈴木氏も同意していた。二人はサッカーと野球でスポーツこそ違うものの、共通項を見出していた。また、緊張状態になったときは、口を開けることが大事だと鈴木氏。口を閉じると腹筋を固くなる。吐くように意識して、緊張してしまったときは少し口を開けるように工夫することで解消できる。

様々な質問が寄せられる中、一般の質問の中から「一番苦手なピッチャーは?」という質問が飛び出した。少し苦笑いを浮かべながら鈴木氏は「引退したから言えるが…」と前置きし、「阪神の能見篤史選手」だと回答した。理由は、とても勘が良いピッチャーで、よく考えているピッチャーだから苦手だったという。

他に条件面としては、土は走りにくいという。東京ドームのように人工芝はむしろ走りやすく、タイムを計測しても、土のグラウンドの方がタイムは落ちたという。毎日同じルーティンをこなし、
体調面やコンディションを維持・改善することはとても大事にしていて、結果に直結したという。

鈴木氏は、試合開始前の7時間前に球場入りしていたという。自分をコントロールする、自分なりのオリジナリティを確立することを大事にしていたと說明した。よって、試合開始7時間前から自分の中での勝負が始まっていて、準備を怠らないように本番に全力で備えるのだ、と回答した。

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最後に、人に教えるときは行動も大事だが、しっかりと「言語化」すること、言葉でちゃんとわかりやすく相手に伝えられるようにすることの方が大事なのだ、と鈴木氏は繰り返し訴えた。それには中西氏も同意で、現役引退したばかりながら、すぐに言語化できている鈴木氏の姿に感服しているよう様子だった。約2時間に渡る鈴木氏の講演と中西哲生氏との対談は大いに盛り上がりをみせ、イベントは無事終了した。

イベント終了後は、会場で鈴木氏にサインや記念撮影を求めるファンが殺到し、長蛇の列ができていた。次回は、古田敦也氏をプレゼンターに迎え、WBC開幕直前の2月27日(月)に開催予定。今後は、野球以外のスポーツも取り上げていく予定だという。次回以降の講演も楽しみである。

■ALE14公式HP:http://ale14.com/
■ALE14公式Facebook:https://www.facebook.com/ale14.since2016/

写真/西村 真  株式会社タイズブリック
取材協力/株式会社タイズブリック