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川崎・篠山竜青が「勝者としてのメンタリティ」を教わったファジーカスへの思い

川崎ブレイブサンダースや日本代表でも活躍したニック・ファジーカス選手の引退試合が5月30日にとどろきアリーナで開催された。川崎一筋で12年間プレーし、2023-24年シーズンはキャプテンを務めた篠山竜青選手が試合後の取材に応じ、共に戦ったファジーカス選手の引退について思いを語った。 写真提供:川崎ブレイブサンダース

图标 fopv vbvqbakadu白鸟淳一 | 2024/06/15

 川崎ブレイブサンダース(東芝時代含む)や日本代表でニック・ファジーカス選手と一緒にプレーした篠山竜青選手が試合後に取材に応じ、引退試合の感想やファジーカス選手との思い出を語った。


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――引退試合を振り返ってみていかがでしょうか?

 

篠山:ニックのすごさがわかりますし、川崎や東芝のメンバーだけでなく、日本代表でニックと一緒にプレーしたメンバーもこれだけたくさん集まってきてくれた。

 

彼のプレイヤーとしての素晴らしさや人望の厚さを目の当たりにして、改めて「すごい選手だったんだ」っていうのは感じました。

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――川崎のマスコットとして活躍し、今は雷リーグでプレーしているブレイビーも駆けつけてくれました。


篠山:あんまり中身については言わない方がいいかもしれませんが……(苦笑)。


ブレイビー自身も、体育館になかなか人が集まらない中で「どうすればマスコットとして存在感を出せるか?」を本気で考えていましたし、クラブに怒られるかどうかのギリギリを攻めながらエンターテインメントしたり、時にはボソボソ喋ったりしていました。

ブレイビーを復活させてくれたクラブの粋な計らいにや、 当時のままの彼が今日の試合に駆けつけてくれたことにも感謝しています。

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ーー篠山選手は12年間に渡ってファジーカス選手とプレーされました。

 

篠山:バスケ業界に限らずどの競技を見渡しても、10年以上同じチームで一緒にプレーを続けるのはレアなケースだと思うんです。

 (ファジーカス選手とは)やっぱ本当に家族みたいな関係で、「仲が良い」とか「仲が悪い」という言葉だけでは表現できないような関係性だと思います。


漫才師っぽく言うと、ある時はとても大好きだけど、ある日は本当に殺したいぐらい憎い時もある。本当に家族のような特別な関係性だったと思うし、いろんなやり取りがありましたけど、その中でもニックと一緒にブレイブサンダースの歴史を築けたのは自分にとってもありがたかったですし、本当に1人の人生の経験として、非常に貴重な時間を彼と過ごせたじゃないかなと思っています。


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――ファジーカス選手の来日時に、ここまで長い間一緒にプレーする未来を想像していましたか?


篠山:(ファジーカス選手が)日本で長くプレーしてくれるイメージはありましたけど、「マネーゲームによってどこかのチームに引き抜かれるんじゃないか?」という意識はありましたし、僕が若い時は特に(その不安な気持ちが)強かったように思います。

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――ファジーカス選手の第一印象を聞かせてください。

 

篠山:ニックと初めて会った時は、正直に言うと不安だったんです。

メガネをかけていてヨレヨレのネバダ大学のTシャツを着た外国人選手が、どこか冴えない感じで、今と変わらない特徴的な歩き方で体育館に入ってきて。

 「得点力のある外国籍選手が来る」と聞いていたので、「確かに身長は大きいけれど、この選手で果たして本当に大丈夫なんだろうか?」というのが最初の印象でした。

 

 ただ、やっぱ開幕戦でいきなり30点くらいの得点を決めて活躍してくれて、そのインパクトは今振り返ってみても衝撃的でした。

 

 やっぱり彼のシュートを見るたびに、対戦相手がため息をついたり、首をかしげたり、のけぞったり、驚いたりする姿を見てきて、「本当にすごい外国籍選手がうちのチームに来てくれたのかもしれない……」と思って、そこから一気にニックへの印象が変わりました。


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――篠山選手にとって、ファジーカス選手はどんな存在ですか?

篠山:かっこよく言えば日本バスケット界の「夜明け」と言いますが、「勝者としてのメンタリティ」を日本バスケット界全体に教えてくれた存在だと思います。

 

アジアでもなかなか勝てない状況を目の当たりにしてきた中で、(日本に帰化して、日本代表に選ばれた時に)「僕がいる日本代表は、オーストラリア代表に勝ったことがないんだ……」という一言を投げかけてくれた。

 

どこと対戦しても勝ちにいくという意思と決意を日本のバスケット界にもたらしてくれましたし、ニックの強いメンタルは(大金星を挙げて、勢いに乗りW杯出場に繋げた)オーストラリア戦で日本代表にハマったのかなと思う。僕自身も長年プレーしてきてそのように感じています。