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日本代表不動のCB冨安健洋!W杯に向けて追い求めている理想のサッカーとは
冨安健洋は、日本サッカー史上最高峰の呼び声が高いDFだ。2021年から所属する超名門アーセナルFCでは、高い身体能力を活かした守備で存在感を発揮し、左右のSB、CBのすべてでプレーしている。日本代表でも、最終ラインを守る献身的なDFとして欠かせない選手だ。サッカーに精通するタレント・影山優佳がロンドンを訪れ、冨安健洋とスペシャル対談を行った様子を特集する。※トップ画像出典/Getty Images
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自信を取り戻せたドイツ代表との親善試合
2023年9月に行われたドイツ代表との親善試合にて、日本代表は4-1で勝利。その試合での冨安選手のプレーを、本人と共に振り返った。
前半45分、相手FWのレロイ・ザネがカウンターを仕掛ける。他の選手のマークについていた冨安選手が、ボールを持つザネ選手をカバーしにいく。そのタイミングの理由を問われた冨安選手は「感覚」と返答。ザネ選手のマークについていた伊藤洋輝が遅れたことで、状況を瞬時に判断してカバーしに行ったと解説した。このシーンだけでなく、試合を通していつも以上に視野を広く持てたと冨安選手は振り返る。「ゾーンに入っていたという感じがした。久々の代表戦で、相手もドイツでかなり集中して試合に入った」という。
冨安選手はカタールW杯以降、再始動した日本代表に参加できていなかった。「自分を見失っていた時期もありました」と当時を振り返る。そしてやっと出場できたドイツ戦では結果を残し「自分で自分を認めさせることができた」ので「自信を取り戻せた」と、この試合がいかに特別だったのかを語った。
続いては、話題となった前半終了直後の監督・森保一とのシーンについて。ドイツ代表が5人前線に並べてきていたため「このまま4バックやるのはキツイかもしないです」と、ハーフタイムに森保監督に相談したことを明かした。
森保監督も同様に考え、後半からは3バックが採用された。森保監督は、「選手の意見を尊重してくれる方」とのこと。「W杯のときも僕らの意見を監督に伝えて、監督が吟味して戦術を変えてくれたことがあった」ことからも、森保監督と選手間の関係は良好なようだ。
これからの日本代表が目指す理想のサッカーとは
タレントが豊富な今の日本代表において、冨安選手は不動のCBとして君臨している。カタールW杯以降、冨安選手が出場した約250分で1失点しかしていない。そんな冨安選手が考える日本代表が目指す理想のディフェンスについて「ボールサイドのSBにラインを合わせて守備をしたい」と話してくれた。実際にSBがボールを奪う動きをしたときに、ラインを合わせてポジションをとることで、相手を有利にするようなギャップができないよう意識してプレーしている。冨安選手は全体をコンパクトにするために、常にラインを設定していると語る。そうすることで「ボールを奪うチャンスが増える」のだとか。このように冨安選手は、オフ・ザ・ボールでの動きを緻密に考え、ディフェンスを牽引している。
DFからパスを繋ぎ前線へボールを運ぶビルドアップが、W杯アジア予選を勝ち抜く鍵になるそうだ。冨安選手はアーセナルにて、プレミアリーグ随一のビルドアップを実践している。「アーセナルは『こうしたらああして』と、パズルみたいにやっている」と語り「再現性が高い」と評する。それに対して日本代表は「自由度が高く発想力やアイデアで勝負するサッカー」をしている。今の日本代表に、アーセナルのような再現性も備わったら、より強くなると理想を語った。また冨安選手は「次の大会に全てを懸けたい」とW杯に対する熱い思いを語った。「選手として一番良い時期に迎えられる大会ですし、チームとしても一番成熟した良いタイミングで迎えられると思っている」そのためにもクラブでは「チームの主軸として出続け、W杯に臨むことを逆算して考えている」と話した。
日本代表として、日の丸を背負って戦うことは特別。「グランドに入っていくときに毎回鳥肌が立つ」と冨安選手は語る。2026年に開催されるW杯ではオフ・ザ・ボールでどのようなプレーを見せてくれるのか、注目していきたい。
AMEBA『冨安健洋×影山優佳 SP対談完全版 未公開シーンも!』より
配信日:2023年11月16日(木)
※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています