
伝説の投手からゴルファーへ!夢を追い続ける“平成の怪物”松坂大輔、プロツアー初参戦への舞台裏
松坂大輔といえば“平成の怪物”という愛称を持ち、野球好きなら誰もが知る元メジャーリーガーだ。そんな松坂が第2の人生として、男子プロゴルフの登竜門「ABEMAツアー」に挑戦中。1stシーズンではプロツアー出場のためのハードなテストに挑むが、出場には至らなかった。2ndシーズンでは推薦枠で5月、9月のトーナメント参戦が決定!それまでの様子を追っていく。※トップ画像出典/Getty Images

目指すは予選通過!世界を制したメジャーリーガー松坂大輔が挑む第2の人生
メジャーリーグで世界を制した松坂大輔が、第2の人生として挑戦しているのがゴルフのプロツアー参戦だ。松坂のゴルフの腕前は野球界屈指と言われ、ベストスコアは70とプロも驚くほど。松坂が「機会があればプロツアー予選に出てみたい」と話したことから挑戦が始まった1stシーズンは「ABEMAツアー」参戦テストに挑むも出場は叶わなかった。1度は絶たれた夢だったが、今シーズンは推薦枠での参戦が決定。5月29日から31日に行われる「太平洋クラブチャレンジトーナメント」と、9月4日から6日に行われる「PGM Challenge」の2大会に出場できることになった。
松坂が参戦する「ABEMAツアー」は、日本ゴルフツアー機構が開催する下部トーナメントだ。男子ゴルフレギュラーツアーへの登竜門とも言われ、翌年のレギュラーツアー出場権を争い、プロが人生をかけて戦う場でもある。現在トップで活躍する選手の多くが、このツアーで飛躍のきっかけをつかんできた。そんな厳しい戦いとなるプロツアーで目標の予選通過を達成するため、松坂はタスクフォースを組み、さらなる進化を目指す。そこで松坂が訪れたのは、東京・南麻布にあるゴルフのレッスンスタジオ。最新の設備環境により、スイングの最適解を追求できるこのスタジオで松坂を待っていたのは、今回のツアー再挑戦に向けて結成された特別強化チーム“松坂大輔タスクフォース”のメンバーだった。1人目は数々の優勝を経験し、獲得賞金1億円を突破したトッププロゴルファー矢野東選手。もう1人は矢野プロも信頼を置くツアープロコーチの河野勝成氏だ。
レッスンで浮き彫りになった3つの問題点
予選通過の目標とともにプロの試合でスコア70台を目指す松坂に、河野氏は3つの問題点があると指摘する。
1つ目は、グリップの握り方。松坂は現役時代の首の手術の影響により、現状は手のひら全体でクラブを握る「バームクリップ」になっている。これでは指先での微調整がしにくく細かいコントロールが難しい。そこで河野氏は、クラブを手首で使えるように、オーバーラッピングを左右10本の指で握る「テンフィンガー」への変更を提案した。
2つ目が、手首の動かし方。河野氏は「グリップエンドが止まってヘッドが動くと、どうしても不安定な動きになる。一番良くないのは右腕が引けてしまう状態で、腕で打つしかなくなってしまう。ひじの位置は肩幅からはみ出ないようにしたい」と話す。それを実行するには、左手でグリップを押し、右手首は90度に曲げた状態をキープできるのが理想的だ。そして3つ目は、スイングイメージ。河野氏は、テイクバックの際に手元と首の距離感が一定でないと指摘。「トップのイメージは右手首を回旋し、ひじを胸につけたまま体を回すこと。左腕は胸の回旋より、さらに肩甲骨を前に押し出すようにすること」がポイントだという。矢野プロは「これは柔軟性や可動域の問題もあるので、可動域を広げるトレーニングメニューに変えてみるのもいい」とアドバイスした。
松坂は「いかに自分が今まで、楽をして打ってきたのかがよくわかった」と思わず苦笑。矢野プロは「どこをどう動かせば良いのか考えながらやっている。ここまで短時間で形になる人はあまりいない。体の反応が素晴らしい」と評価しながらも「これを自分のものにするのはとてつもなく大変な作業。5年は欲しいですね」と笑った。
いよいよ課題改善のラウンドレッスンへ
数日後、ツアーで戦うことを見据えてドライバーのフィッティングが行われた。フィッターの山菅貴弘氏も加わり、シャフトを短くしたことで好感触を掴んだ松坂は、いよいよ満を持してツアー会場である「太平洋クラブ 江南コース」でのラウンドレッスンへ。3つの課題を意識しつつ、矢野プロによるトッププロの視点でのコース攻略のポイントを教えてもらう。
10Hは389ヤードのPar4。軽く右に曲がったコースで、左サイドのバンカーのせいで、ティーショットの落としどころが難しい。この日はフェアウェーまで北風が追い風、風との付き合い方も重要だ。「左に2つあるバンカーの、小さい方に球を打ち出すイメージ」と矢野プロに伝えられた松坂は、完璧なティーショットを決める。その後も改善点を確認しながら、コースを回っていく。矢野プロは「レッスンでの地道な努力が、結果に結びつく。なんか…希望が見えるね」と太鼓判を押した。矢野プロは、実際の試合では「良い球を打ちたいと思うと、体に力が入りやすくなる。自分が打つ前にやることを決めて、それをきちんとやること」が大切だと伝えた。
ABEMA『松坂大輔ネクストステージ2ndシーズン#1 松坂大輔プロツアー参戦へ タスクフォース結成!』より
※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています