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練習ラウンドで浮かび上がった課題と試練—元メジャーリーガー松坂大輔、プロゴルフの壁に挑む

男子ゴルフプロツアーに初参戦することになった、元メジャーリーガーの松坂大輔。松坂は第2の人生として、男子プロゴルフの登竜門「ABEMAツアー」に挑戦中。矢野東プロ、河野勝成コーチとタスクフォースを結成し、いよいよラウンドレッスンがスタート。トーナメント出場を間近に控えた松坂は、次々と見つかった課題をクリアできるのだろうか?※トップ画像出典/photoAC

Icon %e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a%e3%81%ae%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af 1 キングギア編集部 エンタメ班 | 2025/03/01

練習ラウンドで次々と見つかる大きな「課題」

2024年3月13日、実際に「ABEMAツアー」が開催される「太平洋クラブ 江南コース」でのラウンドレッスンが始まった。

レッスン後半戦は13番ホールからのスタート。「実際にコースに出ると、打つ方向のイメージがしにくい」と話す松坂に矢野東プロは「一番の課題は“ショートゲーム”を攻略できるようになること」だと話す。ゴルフはグリーンが近くなってからのスコアメイクが重要になる。河野コーチもグリーン周りのアプローチを細かく指導していく。練習ラウンドの前半は矢野プロが「完璧!」と言うほど好調だったが、後半に入ると課題が見えてきた。河野コーチが特に指摘したのが“アプローチ”。「まずはショートゲームの打ち方。そしてスイング改造の継続をやっていきましょう」と松坂に伝えた。また矢野プロは「アイアンの方がミスの幅が狭いのでこのコース用に、ドライビングアイアン(ユーティリティ)を取り入れると良い」と提案。

練習ラウンドから2か月後、大会まで一カ月を切った5月13日。スイングの改善はまだ途中で、松坂自身も難しさを痛感していた。矢野プロは「この短期間で理解して身につけるのは、至難の業。自分で考えながら練習をしていく中で、コツをつかめれば大きく変わってくる」と話す。また松坂のスイングが全体的に開き気味なせいで、出球がずれていることを指摘。「とにかくライン出しをして、自分が打ちたい方向性を重視する。出球を優先させることがまず大切」とアドバイス。「ABEMAツアー」が行われる江南コースは、例年コンディションが良く、一番スコアが出にくい。松坂は「そのツアーに出るのか…」と頭を抱えた。

スイング改善により生じた新たな問題をクリアできるのか

トーナメント本番を5日後に控えた5月23日。松坂はある問題を抱え急遽、河野コーチのもとを訪れる。それは、新しい構えに変えたことで出球が高くなり、右に出るようになったことだった。河野コーチは「なるべく真っ直ぐに打つ練習をしていきたい」と話す。ゴルフは手元の運動量が少ない方が、良いスイングと言われている。先端がやわらかく、操作のしにくいホースを使い、手元の運動量は少ないまま、クラブの先端を大きく動かすイメージを伝えていく。ロープを使った練習では、遠心力を横側ではなく下側で感じられるようにすることで、スイングイメージの軌道が大きくなるように意識づけをした。

河野コーチは出球が右に出る理由として「スイングをする際、右ひじが曲がるとクラブはひっくり返る。切り返しのときに、それを元に戻す作業ができていないので、左手が上になりフェースが開いた状態のまま、手元で打ってしまうことが原因」と分析。これもフレループという道具を使い、湾曲している部分の剥きが振り上げから振り下ろしまで変わらないように振る練習をすることで感覚をつかんでいく。

レッスン最後のドライバーでのスイングは「インパクトのときにボールがつかまる感じがでてきた」と松坂自身も好感触。河野コーチも「かなり良い状態」というほどまでに改善した。

いよいよ大会前日練習へ!本番でのコース攻略のコツをつかむ

大会前日の5月28日、「太平洋クラブチャレンジトーナメント」指定練習日を迎えた松坂は「野球は自信があったので、ほぼ緊張したことがない。今はとても緊張しています」と緊張を隠せない様子。矢野プロは「江南コースは、ティーショットがタイトな場所が多い。最初のティーショットが大きく曲がってしまうと、そもそも勝負にならない。250ヤードくらい跳べば十分なので、次にグリーンを狙える位置にしっかり置くことが大切」と説明する。そのためにもユーティリティのロフトが立っているクラブを使い、コントロールを重視するのが良いのだという。

前日練習は距離感を知るために、ロングパットを重点的に行う。実際にパッドを打ちながら上り下りの確認や、グリーンスピードを合わせる作業をしていく。その後の練習ラウンドではナイスショットを連発していた松坂だが「慣れていないので頭が疲れる。本当に大変、プロはすごいですね」と苦労を口にした。大会前日の松坂の様子を聞かれた矢野プロは「体のキレも良く調子も良さそう。ただ本番になると全然雰囲気が違ってくると思う。ギャラリーもたくさん入るし、ただでさえ“松坂大輔”ということで注目される」と話す。松坂がどんな球を打つのか、たくさんの人が見てるなかでの江南のタイトなコース。さらに風速7メートルの爆風予報で、プロでも厳しいコンディションになるという。いよいよ夢の舞台への参戦まであと1日。果たしてどんなツアーになるのだろうか。

ABEMA『松坂大輔ネクストステージ2ndシーズン#2 練習ラウンドで見つかった大きな「課題」』より

※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています