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U-20アジアカップ開幕をプレイバック!9年ぶりのアジア王者の座を懸けて未来のスターたちが戦う
2025年2月14日に開幕するAFC U-20アジアカップ。ロスオリンピック世代でもある20歳以下の選手たちが、アジアナンバーワンを懸けて戦う。U-20アジアカップ企画をこれまでの戦いを振り返るとともに、ネクストブレイクが期待される2選手に焦点を当てた。※トップ画像出典/Getty Images
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アジアとの激闘をプレイバック
2023年に開催された前回大会で、3大会連続でワールドカップ出場権を獲得したU-20日本代表(以下U-20)。惜しくも決勝進出は逃したが、グループステージでは圧倒的な強さで2位以下を大きく引き離した。そんなU-20も過去を遡ると好調な時期ばかりではない。そこで、まずはこれまでの戦いを振り返ってみる。
今から27年前の98年大会。この時のU-20は高原直泰、稲本潤一らが名を轟かせた「ゴールデンエイジ」。優勝まであと1歩手が届かなかったが、翌年1999年のワールドユース(現U-20W杯)では歴代最高の世界2位という輝かしい結果を残した。そして2006年大会では槙野智章、内田篤人、柏木陽介らが中心となった「調子乗り世代」が奮闘し、7大会連続でワールドカップへの切符を手に入れた。この頃の日本をワールドカップ常連国のように捉えていた人も多かっただろう。
しかし、そんな日本がワールドカップから姿を消すことになる。2008年大会から3大会連続でベスト8敗退。その次の2014年大会では絶対的エース南野拓実がベスト8に導くも、準々決勝のPK戦でその南野選手がゴールを外してまたもやベスト8敗退となった。4大会連続でワールドカップ進出を逃し、改めてアジアの厳しさを思い知った日本。「みんなで1つになって挑んだ大会で、だからこそすごく悔しいですし、この悔しさを忘れたくないと思います」と南野選手が語った。
苦しい時期が長く続いたが、2016年大会でようやく日本が強さを取り戻す。現在A代表でも活躍する堂安律、小川航基、冨安健洋らが躍進し、タジキスタン相手の準々決勝では4得点の大勝。決勝のサウジアラビア戦ではPK戦までもつれ込んだ激闘を制し、この年代初となるアジア王者の座を獲得したのだ。10年ぶりにワールドカップ出場権を掴んだが、次の2018年大会でもワールドカップに進み、久保建英は「結果として2-0で勝って、今日は結果が全てだと思うので良かったです」とコメントを残している。
2023年の前回大会では、松木玖生や高井幸大らが中心となってワールドカップ進出を決めた。松木は試合後のインタビューで「ワールドカップ。これが自分たちが1番目標にしていたことなので、日本らしいサッカーを世界に繋げていけたらいいと思う」と奮闘を誓う。そして、4大会連続ワールドカップ進出がかかった今大会。いい流れできているU-20が9年ぶりにアジア王者の座を手に入れるかもしれない。
坪井慶介が期待する「石井久継選手」「市原吏音選手」
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U-20アジアカップと言えば、これまでもA代表で活躍する多くの選手たちが通ってきた登竜門だ。今大会から未来のスターが何人生まれるのか期待が高まる。そこで、坪井慶介が気になる選手として湘南ベルマーレ石井久継と大宮アルディージャ市原吏音の2人をピックアップした。
「石井選手なんですけども、17歳でJ1デビューを果たして昨シーズンは14試合1ゴール。徐々にトップチームで出場機会を増やしていますし、この世代のメキシコ遠征では10番も背負っていますからね。非常に楽しみな選手です」と解説。さらに「技術、クリエイティブなプレーも素晴らしいんですけど、それプラスゴールに向かっていく怖さも併せ持った選手かなというのが魅力ですね」と絶賛した。
市原については「この選手はこれからどんどん成長して日本を背負って立つようなディフェンダーになっていって欲しい。なっていくんじゃないかなっていう選手です。身長が187cmあるので、空中戦ももちろん抜群に強いですね。それだけじゃなくて、賢く守備も出来ますね。インターセプト、そしてしっかり繋ぐことが出来る」と強みを説明する。続けて「プロ1年目から副キャプテンを任されたり、U-20アジアカップではキャプテンを務めていますから、キャプテンシーがあるところも注目ですね」と期待を込めてコメントを添えた。
『やべっちスタジアム』#187より(2025年1月20日~)より
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