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内田篤人の鹿島最年少記録を塗り替えた17歳・徳田誉の初ゴールシーンを徹底解説
鹿島アントラーズ時代に記録した内田篤人氏のクラブ最年少ゴール記録(17歳11か月22日)を塗り替えるストライカーが現れた!『内田篤人のFOOTBALL TIME #201』では、元日本代表で現在はサッカー指導者の内田篤人氏と、同じく元代表の安田理大氏が、J1「鹿島アントラーズ」の若きストライカー・徳田誉に注目し解説した。※トップ画像出典/Getty Images
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17歳とは思えない!フィニッシュ直前に見せた動き
2024年シーズン終盤、鹿島に新たなスターが登場した。17歳の徳田誉だ。2007年2月18日生まれの徳田は、鹿島アントラーズつくばジュニアユースを経て、鹿島アントラーズユースでプレー。2024年にユースから昇格(二種登録)となり、6月16日のJ1第18節アルビレックス新潟戦でJ1デビューした。J1初ゴールは、同年9月14日のサンフレッチェ広島戦。劇的な同点ゴールを決め、クラブのJ1最年少ゴール記録を更新。17歳6か月27日で、内田の記録を塗り替えた。J1歴代でも森本貴幸(15歳11か月28日)、久保建英(17歳2か月22日)に次ぐ3番目に若い記録となった。
「面識はないけれど、もしかしたらユースの時か、中学生かな…前に会っているかも」と話す内田は、徳田の初ゴールシーン映像に「この左手とか」と、ゴール前でフィニッシュ直前に見せた体の入れ方を絶賛。安田も「外国人のストライカーみたい」と能力の高さを認めていた。「体もしっかりしているし、ここからさらにアカ抜けたら人気も出るのでは」と話す内田。「周りに鈴木優磨とかいるのがいいですよね」と安田がコメントすると「いいとこだけ盗んでね!」と意味深なアドバイスも。クラブ史上最年少ゴール記録を塗り替えられたことには、気にしないと話す内田も感慨深げだった。
「体でブロックしている。それが強さ」タイミング外す動作も絶賛
さらに、内田はメモリアルゴールシーンを「目線カメラ」で解説。徳田のストライカーとしての資質に迫った。
まずゴール前で味方の鈴木からラストパスをもらった徳田の目線を紹介。相手DFは「対人に強い」という広島・佐々木翔だ。ゴールを背にして左手で体を張り、佐々木の動きを止めておいて、振り向きざまゴール左隅にシュートを決めたシーンに内田は「相手を外しにかかる選手が多いんだけれど、(徳田は)しっかり止めて体でブロックしている。それが強さなんだよな」と指摘した。
安田も「17歳で、あそこを自分で打ちに行くっていうのはいいですよね。打つイメージもあったと思うし、その勢いが若さなのか、それともストライカーとしての貪欲(どんよく)さなのかわからないですけど、フォワードらしくていいな」とコメント。「(ゴール前への)入って行き方も良かったですよ。最初からボックス(ペナルティーエリア)の中に入る選手が結構いるんですけど、ちょっと遅れて入ってくるから、(DFは)最初から体を当てられない。点取れそうなことを知っている感じですよね」と、ペナルティーエリア内でDFにつかまれないようにタイミングを外し、遅れて入ってきた動作も絶賛した。
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ここから何点稼げるか──徳田の能力次第
内田は、相手DFの顔のあたりをグッと抑えた徳田のプレーにも注目。この行動でDFとの距離ができるという。「チャンピオンズリーグ(欧州CL)でインテルと試合したときに、ラウルの3点目か4点目の手の使い方がうまいから、みんな映像を探して見て。どっちかの手でグッと抑えている」と、シャルケ時代のラウル・ゴンサレス(元スペイン代表)との相似性を指摘。「(逆に)佐々木は、この強さってわかっていたら、もうちょっとガッツリ出たと思う。この1点はサプライズじゃないけれど、ちょっと“もらった”感じはある」と、初めての攻防で徳田についての情報が少なかったことを挙げ、「ここから彼が研究されたら対応が変わるかも」とコメントした。それでも内田は「17歳で試合に出る時点でいい選手なので、ここから何点稼げるかっていうのが、彼の本当の能力だと思う」と徳田のこれからの活躍に期待していた。
『内田篤人のFOOTBALL TIME #201 : スペインのヤマルと日本の徳田に注目!』より
※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています