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無敗優勝の勢いをそのままに、アロンソ監督の下で試されるチーム力ーーバイエル・レバークーゼンの展望
2023-2024シーズンにドイツ・ブンデスリーガ史上初の無敗優勝を成し遂げる。このリーグでは無類の強さを誇っていたバイエルン・ミュンヘンの12連覇を阻止するとともに、歴史に残る大偉業を達成した。その中心にいるのが、2022年から指揮を執るシャビ・アロンソ監督だ。現役時代はレアル・マドリードやリヴァプールFCなどで活躍するスター選手であり、その才能は監督でも発揮された。チーム内にルールと戦術を徹底させ、速くて強いカウンターサッカーで、欧州のフットボールファンを驚かせることに成功。ドイツチャンピオンとして臨んだCLも、1次リーグ5勝1分2敗と全体の6位で決勝トーナメント進出を決め、改めてその強さを証明した。※イラスト/vaguely
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ブンデスリーガ無敗優勝の勢いそのままに、若き名称シャビ・アロンソ監督と挑む初のCL王者
初戦はオランダのフェイエノールトと対戦した。前半5分に先制すると、30分、36分、45分とゴールラッシュ。前半で勝負を決めて4-0と圧勝し、幸先よくスタートを決める。続くACミラン戦では、後半開始早々に1点を決めて守り勝ち。安定した戦いを見せていた。しかし、第3節のブレスト戦で1-1と引き分けると、第4節のリヴァプールFC戦では0-4と大敗。FWルイス・ディアスにハットトリックを決められるなど、プレミアリーグでも絶好調のチームを前に成す術もなく、1次リーグ初の黒星を喫してしまった。第5節のザルツブルク戦は立て直し、欧州でも注目度が高まっているMFフロリアン・ヴィルツの2ゴールなどで5-0と圧勝した。第6節では、試合終了間際にDFノルディ・ムキエレのゴールが決まり、1‐0でインテル・ミラノから勝利を奪う。このゴールはインテル・ミラノが奪われた1次リーグ唯一の失点でもあり、価値のある1勝となった。続くアトレティコ・マドリード戦では、前半に先制するが後半にFWフリアン・アルバレスの2ゴールにより逆転負け。4勝1分2敗で迎えた最終節はACスパルタ・プラハに2-0と危なげなく勝利し、1次リーグ6位で決勝トーナメント進出が決まった。堅実に勝利を積み重ねたが、リヴァプールFCやアトレティコ・マドリードには力負け。欧州のなかでも強豪とされるチームとの戦い方は、決勝トーナメントのカギになりそうだ。
▼2024-2025UEFAチャンピオンズリーグ1次リーグ成績
5勝1分2敗/15得点7失点/勝ち点16
2025年シーズン予想フォーメーション
レバークーゼンの基本フォーメーションは3-4-2-1。6人いる中盤の選手は、攻守ともに柔軟性のあるポジションをとっている。GKはフィンランド代表のルーカス・フラデツキー。3枚のDFはピエロ・インカピエ、ヨナタン・ター、エドモン・タプソバの3選手がほとんど鉄板。強固な守備力でチームの堅守を支えている。左のWBには、左足から放たれるブレ球でFKも得意とするDFアレハンドロ・グリマルドが入る。初戦のフェイエノールト戦では、見事な飛び出しでチーム2点目を挙げた。右のWBには、DFジェレミー・フリンポンがレギュラーを務める。2枚のボランチのうち一人は、リーグ戦第21節まですべての試合でフル出場しているチームの屋台骨MFグラニト・ジャカは確実。その相方はMFロベルト・アンドリッヒが務めるだろう。中盤の攻撃的ポジションには、MFフロリアン・ヴィルツを軸に据えたい。2003年生まれの若きドイツの至宝は、チームだけでなく国全体の未来を背負う選手だ。もう一人はMFアレイクス・ガルシアかMFネイサン・テラになるだろう。ここは、直近の活躍具合からMFアレイクス・ガルシアとした。1TOPはFWヴィクター・ボニフェイスとFWパトリック・シックの争い。どちらも190cmを超える長身で前線のターゲットとしては十分だ。今回は、より得点力のあるFWシックをスタメンとした。
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決勝トーナメントの展望ー監督が導く強固なチーム力、CLでも輝くか
突出したスター選手はおらず、チームの総合力とシャビ・アロンソ監督の統率力で勝ち上がってきたチームだ。ブンデスリーガでは無敗でチャンピオンになったが、さらなる強豪が集うCLでもそのクオリティが発揮できるのかがポイントとなる。実際、1次リーグではプレミアリーグの強豪リヴァプールFCに0-4、リーガ・エスパニョーラのアトレティコ・マドリードには1-2で敗れたことからも、欧州王者を奪取するにはもう一皮むける必要があるだろう。それでも、ドイツ勢では唯一の1次リーグストレート通過を果たし、2023-2024シーズンの無敗優勝がフロックではないことは証明済み。アロンソ監督を中心に、上位勢との戦い方をチームにさらに浸透させれば夢の欧州制覇も見えてくるはずだ。
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